2017年9月12日火曜日

海外ゼミ研修@ミャンマー

経営学部の関口和代です。
ゼミでは、夏期休暇期間中に海外研修へ行きますが、
今年はミャンマーを訪問しました。
66日のブログでミャンマーに決定した経緯等をご紹介しています。
そちらもあわせてご覧ください。
http://tkubiz.blogspot.jp/2017/06/blog-post.html

今年は816日から27日までの1012日で研修に出かけました。
これまで7カ国で研修を実施してきましたが、今回のミャンマー研修が最長です。

企業訪問

ミャンマーの最大都市であるヤンゴンから約1時間30分ほどかかる
ティラワ工業団地には、日本企業も多く進出しています。
その中の一社であるヤンマー社を訪問しました。
ミャンマーでは、隣国タイ等から輸入した農業用機器を
販売・メンテナンスされています。
将来的には製造販売も視野に入れているそうですが、法的な問題に加え、
道路・電力・上下水道をはじめとしたインフラ整備が最大の課題とのことでした。












ヤンゴンでは、NTTデータ社を訪問いたしました。
日本に比べて大学進学率が低い中、
優秀な従業員(多くは女性です)を採用しつつ、
日本と連携をとって業務にあたられています。


また、それに先立ってJETROヤンゴン事務所にて、
ミャンマーに関するブリーフィングを受けました。
















現地大学との交流

ヤンゴン外国語大学の学生と交流をしました。
ミャンマーにある外国語大学は、ヤンゴン外国語大学とマンダレー外国語大学の
2校です。当初は両大学とも訪問する予定でしたが、
残念ながら手続きが間に合わず、今回はヤンゴ外国語大学のみとなりました。



午前中に学内でグループ・ディスカッションやゲームをした後、
ミャンマー人学生とゼミ生の混合グループに分かれて、
夕方までヤンゴン市内散策に出かけました。
11グループそれぞれ楽しい時間を過ごしたようで、
その様子がたくさんfacebookに投稿されていました。
ご協力いただいたヤンゴン外国語大学の皆様、
国際交流基金の担当者の方に感謝しております。














エコツーリズムへの参加

今回、初の試みとして、
ミャンマー日本・エコツーリズム(MJET)が実施している
プログラムの一部にゼミで参加しました。
NGOの方が用意してくださった薄いブルーの
Tシャツを着て活動しています。
http://www.mjet-tokyo.com/index.html


ヤンゴンから飛行機で1時間30分ほどの町バガンで
下記のような4つの活動をしました。

地元小学生を対象とした理科の実験
今後、教科書に書かれたことをそのまま知識として学ぶことから、
実験等を通して体験学習をする方式に変えたいとのことです。
実験器具はもちろんのこと、日本では当たり前に揃っているような
学習機材や学習支援ツールもほとんどありません。
校舎自体もそうですが、机や椅子も非常に簡素で、
教科書・ノート・筆記用具も不足しています。
それでも、教員の話に真剣に耳を傾け、
一言一句も聞き漏らさない態度・姿勢や
キラキラとした瞳をみて、我が身を反省しました。


地元小学生とともに植林活動
NGOへの寄付金で購入された苗木に加え、
私たちも一人あたり5本苗木を購入し植えました。
小学生や住民の方々が世話をし、
成長度合いをメールで知らせてくれるとのこと。
とても楽しみです。

植林活動は、マンゴー、パパイヤなど、フルーツの名前をつけた
4つのグループに分かれて、指定された区画に小学生と協力して
苗木を植えました。
片言のミャンマー語とボディランゲージのみではあるものの、
天真爛漫、素直で、笑顔の素敵な子どもたちと一緒に
活動したことは忘れられない思い出となりました。
5年後には大きくなっているとのことですので、
是非見に行きたいと思います。
















③地元小学生たちと日本式運動会
紅白の2チームに分かれて、玉入れ、リレー、
ボール運び、二人三脚、ムカデ競争をしました。
全力かつ真剣に、そして楽しみながら取り組む子どもたちと、
彼らをサポートするゼミ生たちに感動しました。



村での交流会
夕方から、小学校で交流会。植林活動に参加した小学生たちの他、
村民の方も多くいらっしゃいました。
歌、ダンス、マジック等を相互に披露しました。

ご紹介したように、ミャンマーでは、
これまでとは一味違った活動・体験ができました。




50年間にわたる軍政政権から、
2015年アウンサンスーチー氏率いる
国民民主連盟(National League for DemocracyNLD)へと
政権が交代したことで、アジアのラストフロンティアとして
注目されているミャンマーの現在を体感できました。

民政政権となって間もないミャンマーは、
まだまだインフラも整備されていませんし、
経済活動も投資もこれからといった状況です。
しかし、民主主義国家への移行が本物かを
慎重に見極めようとしている国民が、
安心して投資をし、消費をするようになれば、
あっという間に発展するように思います。

ミャンマー人の国民性としてあげられることの多い、
細やかな心遣い、親切、穏やか、手先が器用、
勤勉で真面目であること等は、今回の研修で十二分に実感できました。

第二次世界大戦前は、
バンコク駐在者が買い出しでヤンゴンに来ていたそうです。
50年間にわたる鎖国状態の影響で、
ASEAN諸国内では、やや遅れた発展段階にありますが、
上述したような国民性、統計にはあらわれない国民の保有資産
あるいは経済の実態、投資環境の今後の改善に向けての努力等を
考えると、実力十分であると思いました。
そのような過渡期、発展段階の初期に、ゼミ生とともに
ヤンゴンやバガンの実相の一端に触れることができ
とても良い経験となりました。

本研修の報告は、10月の木曜日の昼休みに行う予定です。
多くの皆様のご参加をお待ちしています。
実施日が決まりましたら、改めてお知らせいたします。

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毎年実施しているゼミ研修、これまで同じ国に出掛けたことはありません。
安心・安全が一定程度担保できること、リスクが少ない国であることを大前提に、
大学生が一般的な旅行先として選択しそうにない国、
社会・経済的に変化しようとしている国、
ダイナミズムやポテンシャルを感じることのできる国を
今後も訪問先として考えていきたいと思います。
将来、再訪する国も出てくるとは思いますが、
出来得る限り、新規訪問先を開拓していきたいと考えています。

世界的に不安定な状況、安心・安全が脅かされている状況ではありますが、
今後も学内外の関係機関と連携して、
学生にとって有意義な研修を続けていきたいと思います。


(文責:関口和代)