2017年4月17日月曜日

マスクって花粉対策か風邪予防ですか?

2017.04.17

経営学部の本藤です。
久々に、本藤ゼミのネタからマーケティングの考え方を紹介してみたいと思います。
桜も入学式に合わせて咲き乱れてくれて、いい雰囲気で新年度がスタートしました。

先週からゼミがスタートして、新しいメンバー(新2年生)を迎えての第一回でした。本藤ゼミはガチゼミで認知されていて(汗)、サークルや部活に力を注ぎたい人には敬遠されがちなのですが、新2年生は期待と不安がごちゃ混ぜになった表情で自己紹介をしていました(笑)


そんな気分も先輩がみんな通ってきた道です。きっと最初は危機感と焦燥感と無力感を感じてしまうかもしれませんが、励めば励んだだけ満足感や達成感を感じられる日がやってきます。
おそらくほぼ全てのゼミがそんな感じだと思います。
運命のゼミに入ったら、担当教員を信じて邁進しましょう。


本藤ゼミでは、年に3回のコラボ企画を行っています。
4月から7月の春企画、9月から11月の秋企画、11月から2月の冬企画です。
数年前までは夏休みも冬休みも春休みもなかったのですが、最近はインターンシップと称する就職活動が夏、冬、春の休み中に開催されるので、スケジュール変更しました。

昨年度は、ロート製薬やハウスウエルネスフーズとのコラボでしたが、今年度の最初はユニ・チャームです。通常のキックオフは大学で行われるのですが、今年はユニ・チャームの東京オフィスで行います。
今回のゼミコラボ対象商品は「マスク」。
ユニ・チャームのマスクは「超快適」と「超立体」で、現在トップシェアを誇っています。この後どうやって売り上げを伸ばしたらいいでしょうか?


もはやマスクの最需要期は過ぎ去りましたね。
みなさんにとって、マスクをする時ってどんな時でしょうか?
花粉対策としてマスクをする人も多いかもしれませんね。スギが終わって、そろそろヒノキも終わりそうです。
ほかに、風邪予防にマスクをする人も多いかもしれません。満員電車で、ゴホゴホしている人が近くにいると、うつされないように体の向きを変えて微かな対応策を試みることもあります(笑)。
逆に、風邪をひいた時のエチケットとしてマスクをする人もいますし、風邪を少しでも早く治したい人も、喉の乾燥を防ぐためにマスクをする人がいるでしょう。


昨年度マスクの市場規模は300億円近くに達しているという状況にあります。
それでは、このマスク市場を活性化させるために、何を考えるべきでしょうか?
マスクは価格以外で差別化が難しいコモディティ化が進んでいて、最近は100円ショップで30枚入り(1枚3円)のマスクも人気になっています。そうなると需要数量は増えても、市場規模は縮小する可能性があります。


コモディティから脱却する方策として、近年、伊達マスクとも言われているマスクも大きく市場を伸ばしています。ユニ・チャームからも「小顔にみえマスク」が発売されています。
朝メイクする時間がなくて、マスクで隠して登校してくる女子学生を目にすることが増えてきていますが、そんなファッションの側面を訴求すれば、潜在需要をもっと掘り起こせるかもしれません。
違う機能(価値)を支持してくれる人を増やすことが潜在需要の発掘につながります。


ですから、このように実用的な商品でも、ファッション性を取り込むことで、価格競争ではない機能訴求商品に競争フィールドを転換することもできます。
一般的には、想定されるターゲットの需要数量を増やすことで売り上げを伸ばすことが通常の営業方針になりますが、異なる需要に対応してターゲットを拡大することも売り上げを伸ばす選択肢になるのです。
隠れた需要を探し当てることは、マーケティングの戦略的な取り組みになります。


文責:本藤貴康(流通マーケティング入門、流通論、地域インターンシップ担当)
本藤ゼミナールBLOG http://hondo-seminar.blogspot.jp/


2017年4月9日日曜日

別れから出会いのシーズンへ(小木ゼミ通信vol.19 お菓子コラボ社長プレゼンなど)

 マーケティング論、ソーシャルマーケティング論担当の小木です。19回目の投稿となります。

 4月3日付の吉田靖先生のブログ「学問のすゝめ」の内容は、とても格調高く、新入生や高校生には、とても意義深いものがあると感銘を受けました。新入生や高校生は、熟読し、何かにつけ読み直しをされることをお勧めいたします。

 個人的には、福澤翁の言葉では、「愈究愈遠(いよいよきわめて、いよいよとおし)」や「自我作古(われよりいにしえをなす)」が好きです。とりわけ、自我作古(じがさっこ)の真意は、自らが開拓者となり、後世に影響を与え続けるものというのではなく、後を継ぐ者が自分を乗り越え、自らが過去になることを受け入れる勇気ある言葉と解釈いたします。すでに、小木ゼミからは、2人の研究者(大学教員)が出て、私を追い抜いた形になっています(まだ負けていませんが)。少なくとも本学の新入生や、本学を目指す高校生には、その心意気で頑張ってほしいと願っております。


 さて、3月の別れのシーズンが過ぎ去り、4月は出会いのシーズンとなりました。

 大学卒業生は晴れて社会人に、高校卒業生は晴れて大学生になられるわけですが、これからもこうした光景が繰り返されるわけですね。そういえば、私どものゼミは、8月2日(水)のオープンキャンパスで、ゼミ紹介の場に登場することが決まっています。もうすでに、来年度の入試募集(新たな出会い)に向けて動き出しているのです。高校生2・3年生の皆さんは、ぜひ見に来て下さい。そこでお話しするゼミ活動の一端を、以下では、紹介していきたいと思います。

 今回のラインナップは、

 1.こんなお菓子あったらいいなプロジェクトで社長プレゼン

 2.進一層課外部門優秀賞(学長賞)受賞

 3.ゼミ選考の結果

 4.卒業式・卒業イベント

です。


  1.「こんなお菓子あったらいいなプロジェクト」で社長プレゼン

2017年3月某日、鈴木栄光堂・イーグル製菓の鈴木伝社長へのお菓子プレゼンが東京経済大学で行われました。ほぼ1年かけての成果発表でした。

 新3年生の4つのグループから提案を行いましたが、社長からは、お褒めの言葉をいただきました(かなりの好感触でした)。

 ひょっとすると提案が、また商品化するかも。発表の新3年ゼミ生は良く頑張っていたと思います。お疲れ様でした。

 社長の総評&ミニ講演では、鈴木栄光堂・イーグル製菓が、シャンポール、東京どりーむに続き、さらにもうひとつお菓子会社を買収するとのサプライズ発言も飛び出し、経営戦略の奥深さを知ることになりました。

鈴木社長と新3年生とのショット

新3年生のプレゼンの一コマ


 2017年度も、新たな2年生を迎えて頑張っていきたいと思いますが、東経大に入って、このプロジェクトに参加したい高校生がいましたら、迷わず小木ゼミのドアをノックして下さい。お待ちしております。



 2.小木ゼミが進一層課外部門優秀賞(学長賞)受賞!


 進一層表彰課外部門で小木ゼミは優秀賞(学長賞)を獲得しました!

 特に、企業とのコラボである、

①地域活性化プロジェクト:Web「国分寺物語」の制作・運営(Nipponia Nippon×小木ゼミ)
②新製品開発プロジェクト:「こんなお菓子あったらいいなプロジェクト」(鈴木栄光堂・イーグル製菓×小木ゼミ)
③国際貢献プロジェクト:TFT健康ランチの提供(TFT×東経大生協×小木ゼミ)

 などの取り組みが評価されました。

 これで7年連続の受賞となります。

 これまで通り、一生懸命ゼミをやってきたことが評価されたと考えます。2017年度も引き続き、頑張っていきたいと思います。



 3.ゼミ選考の結果について

3月21日にゼミ選考が行われました。

 まずは、ガチゼミとの噂される中(われわれはガチゼミでないと思っているのですが)、小木ゼミを希望してくれた、たくさんの方に感謝したいと思います。本当に、ありがとうございました。今年の応募者は44名+1名グロキャリ生で(内継続生18名、新2年生25名+1名)、学内では5番目の応募者数でした。全員のご期待に沿うことはできなかったことだけがとても残念です。

 2017年度は、3年生(継続生)を含む31名+1名(グロキャリ生)の32名で小木ゼミをスタートさせることになりました。卒論ゼミ生(4年生)15名を合わせると、総勢47名の大所帯となります。東経大では一番多くの学生を抱えるゼミ集団と言えましょう。

 さて、選考ですが、3日間延べ10時間を越えるゼミ生との話し合いの末、決めました。毎年、上位合格10名程度まではとんとんといくのですが、そこからが難航しました。入ゼミ許可の皆さん、ぜひそのことを念頭に入れて、ゼミ活動頑張って下さい。

 幹部はじめ、新3年生は特に大変になるかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。

 私は、いつも周りにゼミ生がいてくれるだけで、本当に嬉しく思っています。



 4.卒業式・卒業イベント

3月22日卒業式前に卒業イベントを行い、追い出し食事会は23日に行いました。

 23日卒業式前のゼミイベントでは、後輩ゼミ生から各卒業ゼミ生にプレゼントが贈られ、今年も10名の大切なゼミ生(通算18期生)が巣立っていきました。

 私も卒業生からコメント付きミニアルバムと革のブックカバーをいただきました。大事にしたいと思います。

 いつもながら、嬉しいけど、本当に寂しいです。。。。。
 18期の皆、卒業おめでとう!
 皆さんが活躍することを祈念しております。
 悩んだら、GO BACK TO SEMINAR!
 これからも、小木ゼミファミリーとしてよろしく。


大切なゼミ生が卒業していき、また新しくゼミを作り直すと思うと、途方もない作業ですが、ひとつひとつ積み上げて、1年間頑張っていきたいと思います。



                                            小木 紀親

2017年4月3日月曜日

学問のすゝめ

新入生の皆さん、入学おめでとうございます。

経営学部の吉田靖(経営財務論担当)です。

 

本学でも4月1日に入学式が挙行されました。

経営学部だけでも約560名の新入生の皆さんをお迎え致しました。

本学では経営学部が最も多くの入学生をお迎えしております。

 

全学での入学式の後は、各学部別に別会場で学部長挨拶とガイダンスを行いました。

私は教務主任もしておりますので、1時間弱ほど経営学部のカリキュラムの説明を致しました。新入生の皆さん!話の内容は忘れないで下さいね!

さて、このときは、カリキュラムの内容についてのみお話ししましたが、大学や高校で学ぶ皆さんに是非お話ししたいことがあります。

それは、福澤諭吉の『学問のすゝめ』の冒頭の話です。

というと、そんなの知っている、

「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言えり。」

でしょ、と思う人が多いと思います。

 

ひょっとしたらどこかの大学や高校などの入学式でもこの一文が紹介されているかもしれません。しかし、実はこの一文だけでは福澤諭吉の言いたいことは全く伝わらないのです。これを理解するためには、このあとに続いている文章とセットで考える必要があります。それではどうなっているかというと、 次のように続きます。


されども今広くこの人間世界を見渡すに、かしこき人あり、おろかなる人あり、貧しきもあり、富めるもあり、貴人もあり、下人もありて、その有様雲と泥との相違あるに似たるは何ぞや。
 (中略)

人は生れながらにして貴賎貧富の別なし。ただ学問を勤めて物事をよく知る者は貴人となり富人となり、無学なる者は貧人となり下人となるなり。

 

冒頭の一文だけではなく、少なくともここまでの意味を考えましょう!

間違えて覚えている人、あるいは間違えて教えられた人は、何事にも疑問を持ち、自分で物事をきちんと調べるということの大切さも併せて理解していただけると幸いです。

 

それでは、他人に言うだけでなく、自分では学問をやっているのかというと、これが大学の教員の仕事なのですが、先月にはいくつか報告できることがありました。

大学の教員は、学問をした結果として、研究成果を論文として世に問うことになりますが、私の分野では、通常はまずは同じ分野の研究者の集まりである学会で発表することになります。

これに相当するものとして、3月18日から20日まで、日本ディスクロージャー研究学会の第2回ワークショップが開催されましたが、プログラム委員長としてその準備にあたりました。参加者の協力のおかげで、今回も成功裏に終わりました。以下の画像はその時の予稿集です。全部で200頁弱あります。

  

このような場で発表して、いろいろな意見をもらって、次に論文として発表します。次の例は同じ学会ですが、副編集委員長・担当常任理事をしている学術雑誌『現代ディスクロージャー研究』No.16が刊行されました。次の画像です。

 


このような雑誌は査読誌と言って、投稿した人の論文を全てそのまま掲載するのではなくて、内容によって採択するかどうかを決めます。この雑誌は特にレベルが高いことで知られています。

もう一つは、編集委員長をしている日本FP学会の学会誌『ファイナンシャル・プランニング研究』No.16も3月に刊行されました。ファイナンシャル・プランニングのことを詳しく知りたい人は是非学会のウェブサイトを見て下さい。大学生を対象とした賞もあります。


最後にご紹介したいのは、編集委員をしている日本保険・年金リスク学会誌です。こちらも第8巻第1号が3月に刊行されました。


この雑誌は、今月着任した米山高生教授も編集委員で、さらに日本保険・年金リスク学会の会長でもあります。

さあ、皆さんはどんな学問をしたいと思っていますか?

東京経済大学には、そのための教員・職員と設備がそろっています。

 

吉田 靖(よしだ やすし)