2016年11月21日月曜日

【学問のミカタ】キラメって?

2016.11.21

経営学部の本藤です。
今月の全学共通テーマ【学問のミカタ】のお題は「言葉」。
言葉の力は計り知れませんね。
人間関係をつなぐものは、この言葉によるところが圧倒的だと感じますが、実は、消費者と商品をつなぐ大きな役割を果たしています。
たとえば、日々あふれかえっている広告には、ネット広告からテレビCM、チラシから店頭POPなどなど数多くの種類がありますが、これらはほとんどの商品情報や企業価値などが言葉によって伝えられています。


マーケティングやマーチャンダイジングといった研究者の間では、日本語として馴染みのあるキャッチフレーズとかキャッチコピーという言葉は、タグラインと表現されたりしています。ただ、僕たちが使用する場合、キャッチフレーズというと軽快な印象がありますが、タグラインというと戦略的な印象を受けるような気がします。


しばしば売場で見かけるPOPでも、購入にあたっての意思決定を促すキラーメッセージが影響して、売上が倍増することもしばしばあります。このキラーメッセージが、世の中の消費者を狙って様々な広告媒体を通じて投げかけられます。

たとえば、オロナミンCで使われているような「1億3千万人の元気に」と語られても、自分に言われていると感じる人がどれだけいるでしょうか?
このようなマス・マーケティングは、近年の広告ではかなり少なくなってきています。それは、誰もかれもに訴えかけるということは、誰にも訴えかけられないという面もあるからです。


キラーメッセージ(キラメ)が購買行動につながるかどうかは、そのキラメを耳にした、あるいは目にした人が「あっ!これ私のことだ!」と感じるような問題提起だった時に、そのプロモーション効果は急上昇します。

「人が持っているものが欲しい」というニーズが多かった昭和時代のマーケットとは異なり、現代では「私らしいものが欲しい」という意識が強くなってきているので、誰も彼もが特定商品に集中するようなヒット商品は生まれづらい消費特性とも言えそうです(もちろん、一時的な流行としてであれば起こりえます)。
そんなマーケットでは、情報を発信する対象(ターゲット)を明確にして、そのターゲットにフィットした言葉を選択する必要があります。ターゲットを絞り込んだキラメであればあるほど、そのターゲットに対してエッジの利いたプロモーションになるのです。

このキラメ(タグラインと呼んでもキャッチコピーと呼んでも構いませんが)には、ポジティブ・コピーとネガティブ・コピーがあります。たとえば、ビタミンCの訴求を考えてみます。

① ビタミンCをキチンととると、お肌のキメが細かくなります!
② ビタミンCが不足すると、お肌のツヤが失われます・・・

この商品で問題が解決しますよと効果を伝えるポジティブなキラメと、この商品を買わないとヤバいですよとリスクを伝えるネガティブなキラメがあります。商品の特性によっても、想定するターゲットによっても、伝えるメディアによっても、その選択は変わってきますが、いずれにしても消費者への問題提起を目的としています。


消費者がお金を払って、商品やサービスを購入するときに、前提となるのがこのお客様の「問題認識」です。
「今日の夕食は何にしようかな」とスーパーマーケットに来た主婦に「急に寒くなってきました。しょうがには体温を上げる効果があります」と言えば、温かくなる夕食メニューを意識させることができますし、ドラッグストアに来た高齢者に「空気が乾燥してきました。風邪の予防に寝るときもマスクをつけましょう」と言えば、風邪予防の意識が芽生えるかもしれません。
前者はポジティブ、後者はネガティブなキラメですが、どちらも消費行動を促すための問題提起です。

ビジネスは、言葉の力を使って、ひとびとの問題認識を促す役割を果たしたり、さまざまなニーズに合っていることを訴えたりして、多くの生活者の消費行動に結びつけています。


文責:本藤貴康(流通マーケティング入門、流通論、地域インターンシップ担当)
本藤ゼミナールBLOG http://hondo-seminar.blogspot.jp/


【学問のミカタ】
他学部やセンターからも、同じ「言葉」をテーマとしたブログがアップされています。
高校生の皆さんは、他学部の【学問のミカタ】に是非ともお立ち寄りください。

・経済学部ブログ : 「数字で伝わるもの、数式で伝わるもの
・コミュニケーション学部ブログ : 「言葉
・現代法学部ブログ : 表現の自由~自分の表現がどのように伝わるか考えよう~
・センターブログ : 「さわやかさを誘う「おネエことば」