2016年11月6日日曜日

ハワイと日本の観光施設の比較調査を行いました

皆さんこんにちは。経営学部教員の柴田です。
私のゼミでは、以前より観光ビジネスの研究を進めています。その一環として、今年の柴田ゼミでは、ハワイと日本の観光施設の比較研究を行っています。ハワイは日本人にとってたいへん馴染み深い海外旅行の訪問先ですが、ハワイの側から見ても、観光ビジネスは州内の重要産業であり、日本からの観光客は米国本土に次いで2番目の多さであり、重要な顧客であるわけです。そのため、本年度は4組の比較対象を選び、夏休み前から、日本国内の観光施設を実地調査して、9月上旬に比較相手のハワイの観光施設を現地調査しました。その4組とは、以下の通りです。

 戦跡観光戦艦三笠(神奈川県横須賀市)と戦艦ミズーリ
 産業観光桔梗屋信玄餅工場(山梨県笛吹市)とメネフネマカデミアナッツチョコレート工場
 集客施設型観光新江ノ島水族館(神奈川県藤沢市)とシーライフパーク
 景観観光鯛の浦(千葉県鴨川市)とハナウマ湾

ゼミ生も4つの小グループに分かれてそれぞれのテーマを選んで研究を進めますが、「他の場所のことはどうでも良い」などと思わないように、見学はグループによらず可能な限りゼミ生全員で自分の目で確かめるように、参加してもらっています。

まず7月3日(日)には、戦艦三笠と新江ノ島水族館に行きました。戦艦三笠は日露戦争時に東郷平八郎大将が座乗した連合艦隊旗艦であり、艦内にも日露戦争に関するさまざまな展示が行われています。新江ノ島水族館は、観光地として有名な江ノ島のビーチサイドにある水族館で、くらげの展示やいるかのショーで知られています。


次に7月16日(土)には、鯛の浦に出かけました。ここは日蓮上人が生まれた際に、鯛が飛び跳ね、ハスの花が咲き乱れたという伝承を持つ場所です。本来は比較的深い層を回遊するはずのマダイが浅い入り江の根付きになり、遊覧船から船べりを叩くと鯛が水面近くまで集まってくる様子を見ることができます。ただ、「人気のある今日的な観光地」とは言いがたく、遊覧船に乗る前に集合写真の記念撮影を行うなど、昭和の時代のまま残っている雰囲気があります。
さらに夏休みに入ってすぐの8月2日(火)には、桔梗屋信玄餅工場を見学しました。ここは工場と売店が一体となった施設で、山梨県の代表的な土産物である信玄餅の製造販売だけでなく、ここでしか購入することのできない、限定商品の販売なども行っています。


以上のような事前学習を行った上で、9月6日(火)に出発して、ハワイで現地調査を行いました。9月6日(火)には、ホノルル国際空港から直接真珠湾のアリゾナ記念館ビジターセンターに向かいました。

いかにもハワイという感じの良い天気でしたが、まことに残念ながらアリゾナ記念碑に渡る船が大混雑で待っている時間的余裕がなく、戦艦ミズーリに移動となりました。戦艦ミズーリは、太平洋戦争終結時に日本が無条件降伏文書の調印を行った場として知られています。主砲の前で記念撮影を行っていますが、日露戦争当時の主力艦と太平洋戦争当時の主力艦では、主砲の大きさにかなりの違いのあることが分かります。


9月7日(水)の午前中に、メネフネマカデミアナッツチョコレートの工場に行きました。現地の従業員の皆さんが1つ1つ手作りで作っているプロセスを見学するだけでなく、同じように自分たちでもチョコレート作りを体験し、市販製品同様にパッケージにされて持ち帰ることができます。また、売店では各種のチョコレートを購入することもできます。


9月7日(水)の午後には、ハワイに在住してFM放送のDJを務め、現地からの情報を伝えるパーソナリティの徳重玲子さんを訪問し、ワイキキのSTUDIO RIM HAWAIIで、海外で仕事することの体験談をお伺いしました。さらに、JALPAK International Hawaiiの本社を訪問し、シニアマネージャーの三浦理充さんから、ハワイの観光事業の現状と、海外で働くことの体験談をお伺いしました。




9月8日(木)の午後には、オバマ大統領の母校として知られる名門校の私立プナホウ高校を訪問し、異文化コミュニケーションを実践しました。日本語を勉強中の高校生のクラスに入り、日米の学生生活の話しをしたり、一緒にキャンパスツアーに廻りました。高校といっても、東京経済大学より広い敷地があり、きれいに手入れされた芝生の広がるキャンパスに体育館や食堂などいくつもの建物が並んでいます。


9月9日(金)には、シーライフパークと隣接するハワイパシフィック大学オセアニック研究所を見学しました。ここは、ハワイに生息する水生生物の展示と保護に力をいれており、舞台裏を学ぶとともに、オセアニック研究所で魚類資源保護と養殖の試みを見学しました。ここでもマーケティング部の氏原部長やオセアニック研究所のロス所長よりさまざまなお話しを伺いました。

9月10日(土)には、ハナウマ湾を見学しました。ここは多くの熱帯魚の泳ぐ珊瑚礁として知られた海岸でしたが、観光客の増加により環境破壊が進んだため、現在は自然保護のために、入場時にハナウマ湾の歴史や自然保護教育のためのビデオを見ることが義務付けられていたり、多くの規制が行われているところです。ここでは実際にシュノーケリングで魚の生態を観察しました。

このようにして行われた今年の海外ゼミ研修は、参加した学生にとっても学ぶところの多いものであったと思います。行く先々で、実際に働いている方たちに質問を繰り返したり、お話しをうかがっているゼミ生を見ていると、決して物見遊山の旅行ではなく、きちんと目的意識を持って現地で知りたいことを調べているのだということが分かります。引率教員としては、学生の成長を見ているようで、ちょっと嬉しいことでした。研修の内容については、10月19日(水)の昼休みの成果報告会でゼミ生が報告いたしました。

さらに比較研究の成果については、12月10日の経営学部ゼミ研究報告会で発表する予定です。今年度は、かなり充実した内容の発表ができるのではないかと期待しています。
(文責:経営学部 柴田 高)


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