2016年2月2日火曜日

【学問のミカタ】 義理チョコ文化はマーケティング戦略としての基本形!

経営学部の本藤です。
もうすぐバレンタインデーですね。
バレンタインデーというのは、中学校や高校では一大イベントなんでしょうね。
僕の個人的な思い出としては、楽しいイベントだった記憶はないのですが、最近は「義理チョコ」という「新兵器」が登場して、バレンタインデーもスポーツ得意のイケメン周辺限定イベントではなくなっているようです(笑)


そもそも日本で広がったバレンタインデーの習慣は「女性が男性に愛を告白する」ことをイベントとしていることは宇宙の常識として知られています。それを百も承知の上で、「義理チョコ」という存在に目を付けて、バレンタインデー市場の裾野を拡大したプロモーションは、マーケティングとして基本的な市場拡大のための戦略です。


マーケティング戦略の考え方として、ターゲットとなる主要顧客層を想定することが一般的なアプローチです。このターゲットを絞り込むプロセスがマーケット・セグメンテーション(市場細分化)と言い、性別や年代別、価値観や行動パターンなど様々な切り口で、全体市場を分割して検討されます。したがって、当初の日本型バレンタインデーでは「好きな男の子に告白できずに悶々と過ごしていた女の子」が、チョコレートを売り込むターゲットだったと考えられます。

そんなターゲット設定ですから、誰も彼もがバレンタインデーにチョコを買うという事態には至りません。挙句の果てには、(中学生当時の自分の過去を思い返すと)バレンタインデーの前には、チョコが食べたいと思っても、お店でチョコを買いづらかったりする事態すら生じてしまいます。


でも、世の中の心優しい?女性は、「本藤君は、もらえなそうだからあげるよ」などと言いながら、単なる友達にもチョコをあげる「ターゲット顧客」が生まれて、それがエスカレートしていきます。今では、日常的にお世話になっている人にあげる「義理チョコ」だけではなく、女の子同士で交換する「友チョコ」などの習慣も増え始めています。
※我が家の中学二年の娘は女子中に通っているにも関わらず、(おそらく)彼氏がいるわけでもないのですが、バレンタインデー前の準備は物凄い剣幕でキッチンを占有して、30人分とかの「友チョコ」製作に勤しんでいます。


マーケティングでは、ターゲットとなる顧客グループ毎に、製品開発や品揃えを考え、それに応じた価格を想定して、価値伝達のための情報提供を考え、販売する場所を検討します。つまり、すべての起点であり、大前提となるのが「ターゲット設定」になります。
ここで注意しなくてはならないのが、「義理チョコ」や「友チョコ」の消費者と購入者です。一概に「ターゲット」と言っても、バレンタインデーのチョコの場合、プレゼントする人が購入者としてのターゲットですが、消費者はプレゼントされた人になります。
愛を伝えられる商品とはどんな商品(チョコ)なのか?
日頃の感謝の気持ちを伝えられる商品とはどんな商品(チョコ)なのか?
仲良しの友達に喜ばれる商品(チョコ)なのか?
そして、それをプレゼントする人(購入者)が、「たしかにこれは伝わる」と店頭で感じるようなパッケージだったり、価格だったり、プロモーションだったりを工夫していく必要があります。


市場が飽和してきたと考えたときに、ビジネス側は、市場全体の拡大を図ることを考えなければなりません。そういう意味では、バレンタインデーを女性全体を取り込んだイベントにつなげられた展開は、ビジネスにとってはありがたい展開だったと言えそうです。とは言っても、ここまで拡大したのは、僅かな市場動向を捉えて、ビジネスチャンスへとつなげた企業努力の賜物と言えます。

もう入試本番ですね。
チョコレートは集中力を高める効果があると言われています。
虫歯に気を付けながら、チョコを食べて、本番に臨んでくださいね。


本藤貴康(流通マーケティング入門、流通論、地域インターンシップ担当)
本藤ゼミナールBLOG http://hondo-seminar.blogspot.jp/

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