2016年1月13日水曜日

国際交流を通して学んでほしいこと


経営学部の関口和代です。
今回は、2015年夏に海外ゼミ研修で訪問した
リランカのケラニア大学の方々との交流についてご紹介したいと思います。
大学の支援を受けて、20151219日と20日の2日間交流しました。
さいたま市にある国際交流基金・日本語国際センターで3月上旬まで研修中の
ドゥレーシカー先生をはじめ、信州大学、宇都宮大学、群馬大学、創価大学で、
夏までの1年間学ぶ予定の学生達が参加してくださいました。

19日は、キャンパス案内、葵陵会館でランチ、
ディスカッションをした後、
小金井公園内にある「江戸東京たてもの園」を見学し、
吉祥寺でお好み焼きを食べながらの懇親会でした。












東経大の寮である「国際交流会館」に一泊し、20日は、渋谷、スカイツリー、
浅草寺を参詣した後、水上バスでお台場へ。

本企画を担当した学生達は、ケラニア大学の学生と
打ち合わせを重ね、いろいろと準備をしてくれました。
約4か月ぶりの再会、とても楽しい2日間となりました。



京経済大学には、上記のような「海外大学との交流企画」への
支援制度もあり、さまざまな協力を得ることができます。
再会し、ディスカッションをはじめ、楽しい時を過ごすこと
以外に、本企画を通して、もう一つ意識して欲しいことが
ありました。それは、アイデンティティの確認です。

今回の交流企画に参加した東経大の学生は全て日本人で、
東日本出身者(もっといえば南関東出身者)がほとんどでした。
日本国内でも、「関ヶ原」を境に東西でカップ麺の味付けが異なったり、
モノの呼び方や使い方など、地域によっていろいろな違いがあります。
私自身、関西系の会社に転職した時に、「ほかしといて」と言われ、
意味がわからず、「保管しておいてって言われたのかな?」と思った経験があります。
残念ながら、東京経済大学の学生の多様化は進んでいませんので、
日常的には、言葉や用法等をはじめとしたさまざまな違いを意識することが少ないのです
が、今後、さまざまな背景を持つ人との交流の場面において必要なことの一つに、
そのような相違に対する感受性、その受容や理解があると思います。
その前提として、自分自身のアイデンティティが何かを、漠然とでもいいのでわかって
いることがあります。何らかの基準(あるいは軸)がないと、相違に気づくことが
できないからです。
 

海外ゼミ研修や今回のような国際交流企画を通して、
そのアイデンティティの基礎となる私たちの文化や風習について、
その背景を含めて説明できるようになってほしい、
相手が理解しやすいように伝えられるようになってほしいと願っています。

今回、限られた時間ではありましたが、スリランカの方々に、日本の文化・風習の一端に
触れていただきました。今回みんなで巡った国分寺、渋谷、浅草、お台場が、
どのような歴史や背景を持つ場所なのか、スリランカのお寺と仏像と浅草寺とでは
どのような違いがあるのか、おみくじ、破魔矢、お守り、御朱印帳とは何か等を
説明するためには、当然、自分自身で調べなくてはなりませんし、
無意識に行っていたことや使っていた言葉にも「意味」があることを学んでほしいなと
思っていました。


アイデンティティを確認するためには他者の視点重要です。
今後もできる限り、そのような機会を設けていきたいと思っています。
「日本人の常識は世界の非常識」等と揶揄されることもありますが、
来年度の海外ゼミ研修の候補地もだいぶ絞られてきました。
安全性が確保できることを大前提としつつ、
(日本人としての)アイデンティティを意識できる場所に行きたいなと考えています。

とはいえ、海外に行かないとダメということではありません。
日本国内でも、少し意識を変えるだけで多くの気づきがあります。
皆さんも、身の回りのことに今少し注意を向け、
なぜそうなのか等を考えてみてはいかがでしょうか。


(文責:関口和代)