2015年8月2日日曜日

なんで私が税理士に?


東経大は、現役での高難易度資格試験合格率が高い特徴があります。昨年度の公認会計士試験では6名の合格者を輩出し、税理士試験では学部在学中の科目合格者を13名輩出しています。
2015年度からは、税理士試験委員の先生を外部からお呼びしたり、予備校の校長をされていた方をお呼びして、さらに試験合格率を上げるようにドンドン改善が進んでいます。
また、東京税理士会寄附講座を開講して頂き、本学OBの現役の税理士の方々に15回の講義を持って頂いております。さらに、これまでは入学から会計PP所属までの期間が空いてしまっていたのを改善し、会計PP入門講座を開講しました。本年度前期は、会計PP選抜試験合格者のすべてが「会計PP入門講座」受講生でした。

さて、今回は税理士試験の科目合格者へのアンケートから、なぜ彼らが合格できたのか、君たちが合格するためにはどうすれば良いのかという合格への鉄則を明らかにしたいと思います。

合格への鉄則①最初のスタートダッシュに失敗しても、まだ大丈夫!
これは、公認会計士試験と違うポイントですね。税理士については、そもそも試験の受験資格を得るのが、「大学3年次以上の学生で法律学又は経済学に属する科目を含め62単位以上を取得した者」という規定があります。つまり、早く会計PPに所属しても、結局3年生まで受験することは出来ないわけです。そのため、会計PPの税理士コースについては、1年生からの所属は出来ず、簿記1級コースに所属することになります。つまり、スタートダッシュに失敗しても、十分間に合うのが税理士試験(科目合格)という事になります。特に、商業高校出身の方以外は、公認会計士志望であっても最初の会計PP選抜テストまでに、簿記の2級を取れない方も居ます。そうした方は、諦めるのではなく、税理士という選択肢を考えてみてはどうでしょう。
ところで、税理士でも、簿記1級でも、会計PPの選抜試験は公認会計士と変わりません。会計学の問題ですので、会計PP入門講座を受けないと、実際のところ、合格は非常に難しいです。

 合格への鉄則②終盤で1日9時間程度の勉強が出来るように段階的に頑張る。
税理士では科目合格までの期間は平均して、28か月。短い人で16か月、長くて36か月かかります。つまり少なくとも2年以上君たちは勉強をし続けることになります。税理士科目合格者は初期にはあまり長時間勉強していない人が多く、1日2時間から長くても5時間ほどです。しかし、終盤には、やはり、9時間ほどは勉強していますので、長い勉強を続けることの出来るスタミナ、健康は税理士志望でも絶対に必要です。
食事と睡眠はとても大事です。通学時間との関係で考える必要がありますが、出来ればご実家から通うことで、生活リズムを安定させ、栄養のある食事を取ることができるとベストです。ただし、通学に何時間もかかると、それで疲労してしまうこともあります。
しかし、1日2時間程度から徐々に勉強時間を増やしてゆけばよいので、段階的に、慣れてゆけばよいと思います。

 合格への鉄則③ゼミは、陣内ゼミか武脇ゼミ。ただし、入らないという手も。
 税理士試験合格者は、久木田ゼミ、武脇ゼミ、陣内ゼミ、ゼミ所属なしという結果でした。特に、税理士試験合格者が多いゼミはなく、ゼミ所属なしでも大丈夫のようです。

 合格への鉄則④大学の講義は、陣内先生と、金先生の講義を取る。
大学の講義は、税理士試験合格には役立ったという回答が目立ちます。その中でも、陣内先生の財務諸表論a/bは、講義内容が試験に出た、という回答もあり、非常に有用だそうです。金先生の会計学原理も、役立ったという意見があります。また、会計PP科目全般という意見もありましたので、 税理士試験を目指す場合には、両先生の科目を取ることは必須でしょう。
とはいえ、試験に役だった割合を聞くと、予備校と自習が大きな割合を占めており、大学以外でも努力を続ける必要があることがわかります。また、終盤に資格試験の勉強時間を確保するためにも、単位はできるだけ早くそろえておく必要があります。

 合格への鉄則⑤友人の多さ、簿記1級は合格と無関係。
会計PPの友人が0というケースが半数で、予備校でも友人を作らないという選択が半数でした。一番多くても、予備校の友人が5人でした。税理士試験合格には、友人は少なくても関係ないようです。資格については、簿記1級を持っていたのは0人でした。

以上です。皆さんも、本学で税理士の科目合格を目指すのであれば、合格への鉄則5箇条を参考にしてみて下さい。

*ただし、合格への鉄則は、税理士試験科目合格者へのアンケートから導き出したもので、回答数は4件のみです。したがって、これに従えば必ず合格できるわけでもありませんし、従わないから合格できないものでもありません。あくまで、合格者の傾向ですので、その点に留意して下さい。
                                   文責:板橋雄大(税務会計論担当)