2014年8月29日金曜日

企業小説・経済小説でイメージを膨らませる

こんにちは。 経営学科の関口和代です。
今回は、企業小説・経済小説を取り上げたいと思います。

経営学の対象は組織です。
官公庁等の公的組織、病院、そして東経大等の教育機関も組織ですが、
経営学では、営利を目的とした会社組織を念頭におくことが多くなります。

 
会社組織が対象ですので、講義・演習では、
「会社」について皆さんにお話しすることになります。
しかしながら、日本の場合は特にですが、
多くの学生は会社をはじめとした組織に所属し、
働いた経験がありません。
ですので、どうも今一つピンとこない、腑に落ちない
という状況になりがちです。

講義や演習で理論や事例を紹介し理解してもらうためには、
組織の実態や実情をイメージとして持つことができれば、
より深く理解を深めることができるはずだろうと考えています。

皆さんが、組織や組織を取り巻くさまざまな事象について
深く理解し、疑問を持ちつつ考えをまとめてもらうために
多くの先生がさまざまな工夫をされています。
企業とのコラボ商品の開発や企業訪問・工場見学、
各種イベントやコンテストへの参加等、
実態・実情を知り、より深く理解し、
その経験を更なる学習に結び付ける活動をされている様子が、
本ブログ内でもいくつも紹介されています。

 
柴田高先生は、2014121日付の
「会社が見える・会社が分かる映画と経営学のお話し」で、
会社組織を舞台にする映画等を見ることにより、
会社の実態を少しでもイメージしてもらおうと、
いろいろな映画をご紹介してくださっています。
今回は、企業小説あるいは経済小説と言われる分野に関して
ご紹介したいと思います。

なお、2014821日付「学長ブログ『進一層』だより」で、
堺憲一学長は、新設された図書館を紹介されており、
「二つの推薦書コーナー」というタイトルのもと、
経済小説について取り上げられています。
内容的に重複する部分もありますが、
あわせてお読みいただき参考にしていただければと思います。
(堺学長は、下記のように企業小説・経済小説に関する本も出版されています)

 ■企業小説・経済小説を紹介した本

佐高信著「経済小説のモデルたち」
               社会思想社(現代教養文庫), 1994年。
   田尾雅夫著「企業小説に学ぶ組織論入門」
              有斐閣(有斐閣選書), 1996年。
   岩出博著「小説で読む企業ガイド」
              春秋, 1999年。
 斎藤貴男著「経済小説がおもしろい。―日本の未来を解く30冊」
     日経BP社, 2001年。
 堺憲一著「この経済小説がおもしろい!
     ダイヤモンド社, 2010年。

 
企業小説・経済小説は、
ケーススタディーとして活用することもできます。
全くのフィクションもありますが、
実際にあった事件や出来事を題材にしたものもあります。
組織とは何か、人間とは何か、社会とは何かといったことをはじめ、
さまざまな事象について深く学ぶことのできるツールでもあるのです。
http://www.tku.ac.jp/~sakai/mainhtml/novelm.html

http://www.nikkei.com/article/DGXZZO46173540V10C12A9000000/ 

http://president.jp/articles/-/333
 

その他、経営学の基礎を学ぶための副読本として、
下記は楽しく読めるのではと思います。
 
夏休みも終わりに近づいてきていますが、
気楽に読めますので、ぜひ参考にしていただければと思います。


 
(文責:経営学部 関口和代)

2014年8月18日月曜日

ゼミの日常


こんにちは。 流通マーケティング学科教員の田中です。
今回は普段のゼミ活動について紹介します。

私のゼミでは、大きく二つに分けて活動しています。

① グループ学習
② 個人研究

まず、①のグループ学習は、今年も昨年に引き続き学校祭(葵祭)にお店を出店します。
そこで成功するために、市場調査と製品開発を行っています。
今回は串揚げのお店を出店するようで、B級グルメについて幅広く調査しています。

7月には、武蔵村山キャンパスの研修ハウスに宿泊して製品開発を行いました。


みんなで作っています。

あげ方が非常に上手で、手際がよいです。
プロ並みに美味しい串揚げでした。



①については、某楽器メーカーとコラボして、商品のアイディア出しも行っています。
これについては、進行中のプロジェクトですので、またの機会にご紹介します。


②の個人研究については、4年生で卒論を書くことを目標に、
各自関心のあることについて研究調査しています。
6月~7月には、3・4年生による中間発表会が開かれました。
動物園、水族館の経営、サンリオ、ファッション、じゃがりこ、ラジオ局、折り込みチラシ、
旅行、スポーツ用品、建設業、スターバックスなど、
様々な分野・企業を歴史的な考察を踏まえて発表しました。
卒論の完成が楽しみです。


ゼミ活動はこれだけではありません。
東経大のOBがゼミにいらして、実際の社会についてお話を聞く機会もあります。
今回は伊勢丹に長くお勤めしていました、島田茂さんをお招きしました。
講演内容は、ファッション産業についてと学生時代にやらなければならない勉強についてです。

ファッション産業の説明に力が入ります。
後輩であるゼミ生に優しく語りかけています。
国際感覚を身に付けてほしい、とのことです。
最後には個別の質問に答えて頂いています。
一番気になるは就職の話しです。
東経大のOBには後輩思いの方が非常に多いです。
島田さんが東経大の大学院でまとめられた著作物。
東経大の図書館にも配架されています。
後輩のために残した本です。

ゼミ活動は教室だけではありません。
東経大には「ゼミ対抗フットサル大会」というものがあり、
様々なゼミの学生と一緒に汗を流す機会もあります。
私のゼミではサッカー好きな生徒が多いので、今回の大会にも力が入っていました。

キャンパス内にある体育館で行われました。

なんと決勝まで勝ち進み、試合開始を待っています。
いよいよ決勝です。

結果は2位でした。
チーム名がなぜかバングラディッシュ代表になっています。
表彰状と賞金を頂いています。
いつも結果を残して、凄いですね!
良い汗を流しました。

東経大のゼミには、この他にも様々な出来事があります。
是非、東経大に入学して、他では体験できない学生生活を送ってください!

文責: 田中智晃

2014年8月17日日曜日

1年生向けの基礎セミナーで国分寺の街歩き

こんにちは、経営学部教員の柴田です。
まだまだ暑い日が続きますね。大学は夏休み中で、通常の授業はありません。
そのため、今回は前期の授業期間のお話しをさせていただきます。
経営学部では、入学したばかりの1年生全員に、前期授業で「基礎セミナー」
という科目(2015年度からは「フレッシャーズ・セミナー」と改称します)を
履修してもらいます。「基礎セミナー」の目的は,これから大学生として
学んでいく技術と力を身につけるために、経営学部の専任教員がそれぞれ
十数人の少人数クラスを担当し、さまざまな実習を通じて「学ぶ力」を
高めていくところにあります。内容としては、授業の受け方、ノートのとり方、
レポートの書き方、資料の収集・分析の方法、プレゼンテーションの実習
などを行い、その間に図書館オリエンテーション、人権に関する講習、
キャリアガイダンスなどのイベントも行います。

大学での授業は、どうしても大教室での多人数の学生に向けて、教員が
一方的に話しをする講義が多くなりがちですが、本来もっとも大学らしい
授業とは、学生が自分から進んでさまざまな問題について調査・分析し、
発表を行う、少人数のゼミ(演習)形式の授業を指すはずです。
東京経済大学では、2年生になると、ゼミ(演習科目)を履修でき、
さまざまな先生が開講するゼミの中から自分の希望するゼミを選んで
所属することになります。このブログの中でも、これまでに多くのゼミの
活動が紹介されてきました。「基礎セミナー」は1年生の皆さんにも
このような少人数でのゼミ(演習)形式の授業の雰囲気を味わって
もらい、大学らしい授業の良さをいち早く体験してもらうために
開講しているものです。各学生の時間割にあらかじめ指定されている
時間に、指定された教員のクラスに参加してもらいますが、この
「基礎セミナー」の中で具体的に、どのようなテーマでレポートを
まとめてもらうか、どのような課題で調査・分析を行ってもらうかは
それぞれ担当教員の比較的得意な分野から出題されるため、クラスに
より異なっています。

私の担当クラスでは、縁あって経営学部に入学した以上、経営学の大事な
概念のひとつである『業態』に注目して、「業態の違いを、実際にこの目で
確かめてみよう」というテーマで調査・分析を行い、レポートにまとめ、
プレゼンテーションを行ってもらいました。経営学部の1年生の授業では
「流通マーケティング入門」の中で、「業態」という概念が出てきます。
「業態」とは、小売業などでどのようなビジネスのしかた、売り方をするのか
という営業方法の違いを基準とした分類方法をさします。例えば全国的な
小売チェーン店であればコンビニエンスストア・スーパーマーケット・
百貨店・ディスカウントストアなどの違いが典型的なものです。
百貨店といえば、大都市の商業地の中心部や鉄道のターミナルビルに位置し、
高層棟の大きな建物を持っています。しかしコンビニエンスストアは
ほとんどの場合、平屋建てで、はるかに小さな店舗面積しか持っていません。
また、百貨店やコンビニエンスストアは定価販売が基本ですが、スーパー
マーケットやディスカウントストアは割引販売によって集客力を高めています。
さらにディスカウントストアでは廉価販売のためにコストを下げ、なおかつ
顧客のまとめ買いを促すために、駅前商店街などから少し離れた地価の安い
幹線道路沿いに、広い駐車場を併設した大型店舗を設けることが多いわけです。

このような語句だけの知識は、教科書などを読めはいくらでも得られますが、
そのような知識を「ああ本当にそうなんだ!」と実感を持って頭の中に
しみこませるには、自分の足で現場を見比べて「体で覚える」ことが大事です。
そのために、私のクラスでは、学生それぞれに例えば「○○社のXXXという
清涼飲料の500ミリリットルのペットボトル」というように、きわめて具体的に
商品を決めて、まったく同一の商品が、百貨店、スーパーマーケット、
コンビニエンスストア、ディスカウントストアでそれぞれいくらで売られて
いて、店のつくりや立地、販売方法など、教科書的な知識以上に気が付いた
違いを整理してもらっています。この一環として、授業の中で、大学から
国分寺の街を歩いて廻り、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、
ディスカウントストアを見て行く、ということを行っています。残念ながら
国分寺には百貨店らしい百貨店がありません。(国分寺駅ビルにある丸井は
月賦百貨店で、かなり特殊な営業形態です。)しかし、それ以外の業態に
ついては典型的な店舗が見られます。大学を出て、駅に向かって歩いていくと
コンビニエンスストアのセブンイレブンとミニストップが、交差点の
角地立地の原則通りに立地しています。国分寺駅の南口にはマルエツ、
北口には西友の2軒のスーパーマーケットがあります。また北口では
都内でも珍しい2階建てのファミリーマートを見ることができます。
さらに北口から10分ほど歩いて行ったところにはディスカウントストアの
OKストアがあります。大学から各店舗の中を見ながら歩いていくと
どうしても1時間半近くかかり、最後のOKストアに着くころには
「もう疲れた」とか「そんなところまで歩くんですか?」とか不平不満も
飛び出してきます。でも教員としては「だから駅から離れた、地価の
安い場所でないと、ディスカウントストアに適した広い駐車場と店舗の
用地を確保できないのだということが、身に染みて分かるでしょう?」と
答えることにしています。ちなみに、下の写真はOKストアのすぐ隣に
あるお団子屋さんで、一休みして団子をほおばる男子学生です。
後ろに見えるのがOKストアの駐車場です。


経営学は、世の中の生きた姿を学ぶ学問です。このような、ちょっとした
体験を通じて経営学への理解が深まれば、教員としては望外の喜びに
なるわけです。

(文責:経営学部 柴田 高)

2014年8月8日金曜日

外国料理を食べる会 ―食から外国文化を理解するゼミ恒例イベント―


流通マーケティング学科丸谷です。2回目の執筆です。今回はゼミ恒例イベントである「外国料理を食べる会」について紹介したいと思います。

このイベントは前任校愛知大学時代(1999~2008年)から現在の東京経済大学時代(2007年~)まで15年間続いている行事です。ゼミでは月1回程度イベントがあるのですが、ゼミ生の皆さんとの対話から生まれた大部分のイベントとは違って、私が大学院生時代に所属するゼミで始めたイベントを引き継いでいます(ちなみに、その他のイベントとしてはカフェでのランチタイムミーティング、新歓、工場見学、講演会、合宿、外部専門講師を招いての模擬面接、ディベートなどです、機会があればまたブログに書きたいと思います)。

私の院生時代の所属ゼミは外国人が多く、日本人2人に対して、外国人7-8人(韓国、タイ、マレーシアなど)といった感じでした。最初は「せっかくいろいろな国の人がいるわけだし、出身国の料理を毎月順番に食べに行こうよ」という思い付きから始まりました。とはいえ、それぞれの出身国を1巡してみると、本場出身の方に話をうかがいながら食事をすることは海外文化を理解する上で非常に役立つことがわかりました。
最初に食べた本場の味にきわめて近いタイの代表的激辛スープ、トムヤムクンの辛さから受けた衝撃は今でも忘れられません(多くのお店のトムヤンクンは日本風です)。その後は私が生まれたメキシコやその周辺国ペルー、さらにゼミ生のアルバイト先の知り合いのベトナム人のお店など、その対象範囲は徐々に広がり、院生生活を終わる頃には10か国以上のいろいろなお店に行くことができ、いろいろな国の文化を理解するだけではなく友人も増えました。
最初のきっかけは私の院生時代の経験でしたが、イベントの実際の運営は全て学生に委ねられています。現在ではゼミのイベント担当者が候補先をいくつかあげ、ゼミ生の投票で決まっています。そして、候補先選定に当たっては1つのルールがあります。このルールは学生の皆さんと最初にゼミの運営について話し合った際に決めたルールなのですが、多様な文化を知るため、既に食事会を行った国は対象としないというルールです。そのため、名古屋近郊にあった愛知大学(現在は中心部へ移転)では、東京ほど外国料理店の種類はないので、最近当時の担当者のOBと会った際に聞いた話では、後半店探しが若干大変だったようです。
東京経済大学に移って以降、国の条件は1度リセットされ1からとなりましたが、ゼミ生さんの希望で現在では春と秋年2回開催となったため、少し最近厳しくなっているようです。とはいえ、東京には各国の大使館も集まっているのでまだまだいろいろなお店がありそうです。
食後の満足した表情
 
ちなみに、今年度の第1回外国料理を食べる会は例年より少し遅れて、730日に代々木駅近くの老舗カンボジア料理店「アンコールワット」にて開催されました。個性的な店主の方が非常に人懐っこく、味も非常に食べやすかったです。
 

 


カンボジア料理
ちなみに、ここ数回では、吉祥寺のセネガル料理店「アフリカ大陸」が最も印象深かったです。料理もさることながら、店長さんのキャラクターのインパクトが非常に強く(写真奥)、アフリカならではの内装と独特のレイアウトの地下にあるお店は、異空間でした。
セネガル料理店 アフリカ大陸
(文責:丸谷雄一郎(流通マーケティング学科 教授))