2014年3月24日月曜日

自分が知りたいことを研究しよう!

こんにちは。 流通マーケティング学科教員の田中です。
今回は私のゼミの活動について紹介します。

田中ゼミの1年間は、大きく分けて次の2つに力を入れています。

①みんなで一緒に行う勉強
②個人研究

①については、すでに紹介しましたので、下記をみてね。
↓↓↓  餃子のお店をみんなで出店しました  ↓↓↓
           
http://tkubiz.blogspot.jp/2013/11/blog-post.html
http://tkubiz.blogspot.jp/2014/01/blog-post_14.html

②は、他のゼミでも行っていますが、卒論につながる大学生らしい勉強になります。
特に田中ゼミでは、好きな研究を行ってよい、という方針になっています。
(ただし、犯罪につながることや、道徳に反することなどは禁止になっていますが)

例えば、こんな研究をしている人がいます。
  • サッカークラブの経営
  • 富裕層向けビジネス
  • 音楽ビジネス
  • ブライダル・ビジネス
  • 野球球団経営
  • 自動車のブランディング
  • お菓子産業
  • アーケードゲーム業界
  • ダイエット産業
自分の知りたい内容なので、研究という勉強でも、だんだん楽しくなります。
大学ではこのように自由な勉学に励む機会があります。


今年度は、3回の研究発表を授業内で行い、ゼミ合宿でも研究発表会を開きました。
ゼミ合宿とは、ゼミ生が参加する合宿のことで、各ゼミが様々なところに行っています。
田中ゼミでは、ゼミ生の企画によって、1泊2日で静岡県伊東市に行くことになりました。

旅行係が作成した予定表。かなり上手くできています。

合宿場所は伊豆高原のリゾートコテージ。複数の建物で分かれていました。
写真は研究発表などを行った建物。
発表の風景は、真剣に聞いていたので写真を撮り忘れました(;´・ω・)
 
勉強の合間に訪れたシャボテン公園。
仲間とおもっきり楽しむことも合宿の重要なミッションです!

昼食の風景。
体育会系が多いゼミなので、食事はしっかりしています。

伊豆高原駅で帰りの電車を待つゼミ生。
楽しく、充実した合宿はあっという間に終わってしまいました。


自分が興味のあることを一生懸命勉強しても、聞いてくれる仲間がいなければ、
面白くないものです。
ゼミには、その仲間がいます。

とことん、自分が知りたいことを勉強できるのは大学生の特権です。
ぜひ、ゼミに入って、充実した学生生活を送ってください!

それでは、田中ゼミのブログはこれで終了です。
また、どこかでお会いしましょう。

文責: 田中智晃(経営学部専任講師)

2014年3月17日月曜日

ビジネスって何だろう? 学生が見つけた新ビジネス


 こんにちは。
 経営学部の加藤みどりです。
 卒業、入学の季節となりました。皆さんはどんな想いで2014年の春を迎えていますか?

 突然ですが、ビジネスって何でしょう?

 日本語だと、事業、商売などと表現します。経営学部での最大の研究対象です。
 定義や重要ポイントは人それぞれで、ひとつの枠に収まるものではないでしょうが、私は「架橋」「流れ」と考えます。

 例えば、これが欲しいのに手に入らない、これを売りたいのに、どうやって誰に売ればいいかわからないという人や企業の間に橋を架けると、ものや情報、お金などの流れができます。ミスマッチの解消がビジネスの本質と、私は考えています。



これは、Ronald Burt(1992)の「構造的溝(structural hole)」という理論に基づいています。この考えがさらに進化して、スモールワールド、スモールネットワークという理論が生まれます。世界の全く知らない人に手紙を出すと、6,7人でつながる、世界は意外と小さいというお話です。

 売り手と買い手の間に流れをつくることこそ、ビジネスの本質ではないかと思います。売り手と買い手は、企業内にも存在します。顧客と事業主だけでなく、社内の流れをよくすることも非常に重要です。
 売り買いするのはものやサービスだけでなく、労働力もです。働く意欲があるのに機会に恵まれない人に、その場を提供し、よい財を生産、提供することにより事業主も働き手も顧客も皆ハッピーになる と考えると、ビジネスは素晴らしい仕組みですね。

 経営学部では、経営に関する多彩な科目があり、大学に入れば自分の興味に基づいて、かなり自由に科目選択できます。しかし、ひとつの科目が扱う範囲は広くはありません。例外もありますが、一科目は企業の多様な活動の中のひとつを反映しています。

 営業、生産、マーケティング、研究開発、情報システム、会計、広告宣伝..

これらは会社を構成する「機能(あるいは職能)」と呼ばれます。どれも企業活動に欠かせませんが、すべての機能がうまくかみ合い、人・モノ・金・情報(これらを合わせて経営資源と呼びます)の流れを社内外につくらなければ、ビジネスは成功しません。

 ところが残念なことに、1つの講義は専門化されているので、その中で企業内の流れを扱うのはなかなか大変です。一旦企業人として働けば非常にイメージしやすいのですが、経験が少なく視野もまだ狭い学生にとっては、各機能をつなげて考える、機能間の隙間を埋めつつ流れを想定するのは、至難の業と思われます。


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 前回はゼミの1年間をお伝えしましたが、ひとつ書ききれないことがありました。加藤ゼミでは、ゼミの冒頭の20-30分を使って「新ビジネス」の3分プレゼンテーションを行っています。
 毎回乱数表を用いて、ランダムに3名指名します。学生はちょっとドキドキ?

 この課題には、大きく2つの目的があります。

 1つは、常に鮮度のいい情報に敏感でいること。古い、不正確な、質の悪い情報に価値はないどころか、悪影響しかありません。世の中は凄まじいスピードで変化しており、それに遅れない(だけでは本当はだめで、先を見通さねばならない)ためには、玉石混淆の情報の海をやみくもに渡るのでは身が持ちません。鮮度が高く質の高い情報に容易にアクセスする勘所を養って欲しいのです。


 もう1つは、ビジネスの「流れ」を考ること。製品だけよくても、マーケティングが正確でも、顧客にその商品がタイムリーに届かなければ意味がありません。ですから、私は学生に、「そのビジネスの収益源は?」「コストは?」「お金の流れは?」という質問をよくします。経営資源のうち、人・モノ・情報は外部から把握しづらいですが、お金は観察可能です。



 ここで、加藤ゼミの学生が報告した新ビジネスの一部を紹介しましょう。
ユーグレナ:ミドリムシを利用した食品・燃料などの開発
トイレ広告:公共のお手洗いに広告や商品展示
デジタルサイネージ:ネットワークを通じ、場所や通りかかった人に適した広告を配信
モバイルPOS:タブレット端末やクラウドを用い、小規模・移動店舗でも使えるPOS
リターンタグ:登録済みのタグを携帯電話などに貼っておき、落とし物を拾った人がQRコードをスキャンすると位置情報がわかり、運営会社に連絡が行く

など、発表当時は新しくとも、既に成長しよく知られるようになったものもあります。

 
 また、 時々深いビジネスモデル(簡単に言うと、儲ける仕組み)を探してくる学生もいます。本人たちが気付いているかはやや疑問ですが。


Glossy Box

 月1575円で肌質に合った化粧品サンプルを5品届けてくれる。ドイツで2011年に始まり、日本では2012年にビューティー・トレンド・ジャパン(BTJ)社が開始。

 化粧品業界にはマスメディアを通じて宣伝されない中小メーカーも多く、日常生活で接触機会が少ないだけに、自分に合った商品が送られて来た消費者には大きなメリットがあるでしょう。

 さて、このビジネスの収益源とコストは?


 サンプルは販促品として通常は無料かそれに近い価格で入手できるので、会員管理や包装、発送作業にかかる費用が主要なコストでしょう。では、収入は月会費だけでしょうか?

 通常私たちが何かを買う際に、他社の類似品と比較しますよね。メーカーは、消費者が実際に買うと決心するまでのプロセスを非常に知りたがっています。しかし、メーカーは他社製品の売上動向を調べることはできても、他社品を自社品と共に売ることはできません。BJT社が行っているかはわかりませんが、競合品を同じ回に入れておき、その後実際の商品購買を追跡できれば、メーカーが欲しがっている情報が得られ、高く売れる可能性は高いはずです。



文房具カフェ

 文房具卸の東光ブロズが運営する、多様な文房具が多数置かれているカフェ。購入できるし、自由に使えたり持ち帰り可能な無料サンプルも充実している。会費700円を払って会員になると、引き出しのカギが渡される。引き出しの中には使っていい文具や、カフェの裏メニューがが入っている。

 では、このビジネスの収益源は?


 確かに、文具に興味を持っている人が増え、文具がより売れれば、卸である東光ブロズさんも儲かります。
 ただ、そんな単純な話とはとても思えないのですね。
 ここに700円払う人は、多分とても文具好き。文具ユーザのプロです。
 文具好きの人達が集まって、作業やディスカッションができるようなイベントスペースがあります。
 ここで新しい商品を企画したり、既存商品の新たな使い方を考えたり、「ユーザイノベーション」 が生まれる可能性は高いです。
 また、ここには多数の商品が置かれているので、例えばメーカの方がユーザ文具の使い方、ライバル品との比較の様子を観察することも可能でしょう実際に行われているかどうかは不明です)。東光ブロズさんが卸で複数企業の商品を扱うから可能になるビジネスモデルと言えます。


 ゼミではこんなことを議論しながら、それぞれ持ち寄った新ビジネスをより深く考えて行きます。

 私の担当は、これで終了です。最後に、加藤ゼミの学生から、特に高校生の皆さんへのメッセージを届けます。
 高校生のみなさんと、東経大のキャンパスで会えるといいですね。


「大学の名前なんて関係ありません!  
 大事なのは大学で何に取り組むか、そこから何を得るかです!
 そして自分がどう成長するかです! 
 東京経済大学にはその成長できる場が整っています!  
 資格獲得に向けて金銭面でのサポート、キャリアセンターや学習センターでは様々な相談に乗っていただけます!  
 ぜひ、検討してみてください!
(経営学部3年男子)



「大学は高校時代よりさらに様々な方と出会え、自分の視野を広げられる4年間になると思います。」
(経営学部3年女子)



 「東経大は、やる気のある人に対してとても親切で良い大学です。 
 キャリアセンターやゼミ活動において、やる気のある学生には、能力に関係なく力添えをしてくれます。  授業でも、質問をすればしっかりとした返答が返ってきます。 
 友人関係においても、真面目な人、ノリが良い人、様々な人がいて、きっと自分に合う良い友人ができると思います。」 
(経営学部3年男子)




東京経済大学に入学して良かったこと 
資格取得支援が充実
 東経大にはキャリアサポートコースという資格支援制度があります。取得したい資格を選び、プロの講義を本学キャンパスで受講できます。さらに金銭的な支援もあるので安心です。
大学では遊びも大切ですが、何か目標を持って努力することも大切になると思います。
まずはキャリアサポートコースに足を運んでみることをお勧めします。 
  
多種多様なサークル活動
 勉強だけでなくサークル活動も精力的に活動しています。
体育会系から文化会系まで把握しきれないほどあり、きっと自分に合ったサークルを見つけることができると思います。サークルを通して様々な思い出や出会いがあります。サークルは大学生活を充実させてくれる素晴らしいものです。興味がある方は、4月の新入生歓迎会に参加してはいかがでしょうか。  

手厚い就職支援  
 大学生活は4年ありますが、あっという間に就職活動の時期がやってきます。
 本学には、就職のプロの方々が揃うキャリアセンターという強い味方が存在します。就活で必ずお世話になる場所です。
 キャリアセンターの方が親身に就職セミナー、履歴書の添削など、就活全般の相談相手になってくださるので、就活に関する不安がかなりなくなりました 

 本学には、入学から卒業まで様々な支援体制が整っています。フルに使って大学生活を充実させてください。利用するもしないも自分次第です。楽しい大学生活を送れることを祈っております
(経営学部3年男子:「読み返すとパンフレットみたいになってしまいした....」)

2014年3月11日火曜日

見えるものだけでなく、見えないものも。

春が待ち遠しいところですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
経営学部の森岡です。 

今日は少し、自分の研究(のさわり)についてお話しようかと思います。 

私の専門は、「マーケティング論」です。
皆さんの中にも、「マーケティング」という言葉を耳にしたことのある人もいらっしゃることでしょう。マーケティング論とは、マーケティングに関する研究を行う領域を指す言葉です。なんだか小難しく聞こえるかもしれませんが、端的に述べれば、モノ(サービス)とお金を「交換する」ときに生じる様々な現象を研究しようとするのがマーケティング論であると言うことができるでしょう。 

ですので、例えば、ある企業が、他社よりも多くの利益を獲得するために自らのブランドを構築・強化したり、多くの顧客の手に届くように流通業者を選定したり、広く顧客に知ってもらおうと広告を行ったりすることは、マーケティングの1側面と考えられます。他方で、それらに反応して、ブランド価値の高い商品を選んだり、ネット上で買い物をしたり、さらには、店舗でよく広告をされている商品を目に留めて購買したり、というような消費者や顧客の行動もまた、マーケティングの別な側面と見なされるものです。

このように、マーケティングは、売り手と買い手がそれぞれ参加することによってはじめて成立する現象です。ですので、それを対象とするマーケティング論を専門とする研究者もまた、(いずれをより重視するかは別にしても)そのことを常に頭のどこかに置いています。

そして、「交換」を念頭においてみると、売り手と買い手が表裏一体になっていて、そのいずれに対する理解もマーケティング論では欠くことのできないものであると分かります。その上で、概して言えば、「なぜ交換が生じるのか?」「交換がうまく生じるにはどうすべきか」というような課題に取り組むのがマーケティング論です。

さて。前置きが長くなってしまいましたが、私自身の研究について。 
(少しだけ)天の邪鬼な性格のためか、「なぜ交換が生じるのか?」というマーケティング論の研究課題をひっくり返して(?)、「なぜ交換が生じないのか?」ということに強い興味を抱いています。 

確かに、交換が生じる状況を特定することは重要なことだと考えています。今、目の前で起こっている状況をうまく説明したい。そのような思いに基づく当然の行動です。他方で、交換が生じるということは、その裏側では、「交換がうまく生じていない」という、すぐには目に見えない現象も生じています。私自身が、注目するのはこのあたりです。

では、それに該当するのはどういう状況でしょうか。交換について多様な現象があるのと同じくらい、交換が生じないことに関する現象も様々あります。例えば、消費者が自分でモノを作ってしまうことも、交換が生じないことに関連する現象の1つです。お菓子好きの人が、一生懸命ケーキを作ると、ケーキ屋で売れるはずのケーキが1つ売れなくなってしまいます。バイク好きの人が、自分で愛車を修理したりすると、バイク修理工の仕事が1つ減ってしまいます。

もっと単純にこういうことも考えられます。ある小売店で売り物として並べてあった商品が、心ない消費者に盗まれてしまった…万引きもマーケティングに関連する重要な現象の1つです。もしくは、企業の人たちが長年かけて作り上げてきたブランドを、悪徳企業がそのまま真似をして、偽物を作って売ったり、それを知っている消費者が、偽物ブランドを購買したりすると、本物のブランドの商品は、それだけ消費者との交換を少なくしてしまう可能性が生じます。

概して、これまでのマーケティング論は、「見えている」交換に焦点を合わせていて、交換が起こらないこと、つまり、「見えないもの」に焦点を合わせることはあまり多くありませんでした。ですが、売り手と買い手が表裏一体であるのと同じくらい、交換と交換が起こらないこともまた、マーケティング論で考慮されるべき重要な表裏一体でしょう。

見えることは、それに関連するデータをすぐに集めることができたり、直感的にも理解されやすいことでしょう。しかし、見えないことは、見えることを把握するためにも重要なことだと考えています。 


最後に。 
あの大震災からちょうど3年。私が大学教員になったのも3年前です。震災から復興の歩みと私自身の大学教員として歩みは、今後も常に同じです。見えるものだけでなく、見えないところまで、真の意味での復興が進むことを心より願っています。


文責:森岡耕作(経営学部専任講師:マーケティング論他担当)

2014年3月5日水曜日

ビッグデータを活用する! ~大手医薬品メーカーへの販促提案~

去る2月17日に、東京経済大学本藤ゼミでは、都内にある大手医薬品メーカーに対して、主力ブランドにおける歯磨きとローションの販促提案を行いました。

試験期間をはさんで、2ヶ月程度のプロジェクトでしたが、日々商品プロモーションについて、ID-POSデータ(顧客識別販売実績データ)を使って、様々な角度から議論を重ねての本番でした。

最近は、このID-POSのようなビッグデータを活用した様々なビジネスへの活用が模索されていますが、政府もこの夏にはビッグデータの活用に関する政策方針を出すほどになっています。
そんなビッグデータを日常的に活用しながら、ビジネス最前線で活躍している実務家の方々に提案するのは緊張感満載です!

同席して頂いたマーケティング部長やブランドマネージャーの方々からも「面白い発想だね」とか「ちょっと実現は難しいね」といった意見が出され、学生にとっても貴重な体験になりました。

プレゼンの後は、結果発表と懇親会があり、お酒を飲みながら意見交換が活発に行われました。
いつも本藤ゼミのプレゼンの後には、悲喜交々といった風景が見られますが、評価されて喜ぶ顔や優勝できなくて泣いてしまう顔も、今回は特に多かったようです。

でも、その笑顔も、その涙も、必ず次のチャンスに生きてくると信じています。
 






文責:本藤貴康(流通論担当)