2014年10月27日月曜日

海外ゼミ研修でフランスの世界遺産を巡りました

皆さん、こんにちは。経営学部教員の柴田高です。
今回のブログでは、夏休み中の海外ゼミ研修の様子をご紹介したいと思います。

東京経済大学では、ゼミ活動の一環として、夏休み、あるいは春休みに海外に現地調査などに
渡航する学生を支援する制度があります。柴田ゼミは、一昨年、昨年と、この制度を利用して
中国やアメリカ西海岸の企業などを見学してきましたが、今年はフランスで現地調査を行い
ました。柴田ゼミの研究テーマの一つに「観光事業の経営を調べる」ことを取り上げており、
フランスは年間8,500万人もの海外からの旅行者を集める世界一の「観光大国」であるため、
かねてよりぜひ一度学生と一緒に調査してみたいと思っていました。今回の海外ゼミ研修は
9月4日(木)から12日(金)までの9日間です。

海外ゼミ研修の様子は?

9月4日(木)の午後、羽田空港に集合したゼミ生は、シンガポールに向けて出発します。
本当はパリまで直行便で行きたいところですが、実はシンガポール乗り継ぎの航空券の方が
だいぶ割安であったため、往復シンガポール乗り継ぎとなりました。ただ、シンガポールでの
乗り継ぎ便が機材の故障で、出発が4時間以上遅れ、深夜から未明まで空港で待たされ、
さすがに疲れました。

9月5日(金)の昼ごろにパリに到着し、この日の午後にはパリ南部の国際大学都市で、
日本語を勉強中の学生4人と意見交換する交流企画を進めました。フランスでは、学生と
言っても年代はさまざまで、ゼミ生と同年代の人もいれば、働きながら学んでいる人、
結婚して子供のいる人などもいます。写真は、国際大学都市の本館の前での集合写真です。

9月6日(土)には、ゼミ生も4つのグループに分かれ、前日に会った学生がそれぞれの
グループに1人ずつついて、パリ市内の希望するところを街歩きすることにしました。
パリのセーヌ川沿岸は、かなり広い地域が世界遺産に指定されているため、ここを
自分たちの足で歩いてみたわけです。やはり現地に住んでいる人と一緒に、いろいろな
話しをしながら散歩するというのは、街の素顔や人びとの生活などがよく分かり、
異文化コミュニケーションの貴重な経験になったと思います。どのグループからも
「たいへん興味深かった」という感想が寄せられています。


9月7日(日)には、パリの西方約300キロほど離れた大西洋岸のモンサンミッシェルまで
日帰りで見学に向かいました。モンサンミッシェルは、満潮時には陸から離れ、干潮時には
砂浜でつながる小さな島で、周辺を含めて世界遺産に指定されています。島の上部には、
石造りの修道院があり、ロマネスク様式とゴシック様式の入り交ざった、たいへん興味深い
作りになっています。昼食には、この島の名物のオムレツも食べてみました。パリ市内では
東アジア系の顔立ちの人でも、日本語、中国語、韓国語とさまざまな言葉が飛び交いますが、
モンサンミッシェルまで来る東アジア系の人は、ほとんど日本人のようです。

9月8日(月)の午前中には、本来4日の午前中に廻るはずだった、パリ市内の名所である
ノートルダム寺院、凱旋門、エッフェル塔などを見て回りました。

また午後には、在仏日本人会会長でパリ日本語補習校校長の浦田良一さんの講話を聞きました。
浦田さんは日立製作所に入社し、フランスに販売会社を設立するために渡仏して、その後
30年以上にわたりフランスで生活されてきた方です。ご自身の経験を通して、日本企業の
海外進出や、海外での暮らし方について、非常に興味深いお話しをうかがうことができました。


夕方からは、世界遺産であるセーヌ河岸を遊覧船で船の側から眺めてみて、陸側とは
また違った魅力が発見できました。

9月9日(火)にはパリ郊外のディズニーランドパリを見学し、東京ディズニーリゾートと
どのような違いがあるかを、自分の目で調べることにしました。ディズニーランドはもちろん
アメリカ生まれのテーマパークであり、東京ディズニーリゾートも非常に人気があり、
好業績を続けています。しかし、同じようなディズニーランドでありながら、香港のディズニー
ランドや、このディズニーランドパリの業績は当初の予定を下回っており、人気も今一つと
言われています。柴田ゼミでは一昨年に香港のディズニーランドを調べており、今回は
ディズニーランドパリを題材に取り上げ、不人気の理由を調べるのが目的です。実際に行って
みると、ちょっと目についただけでも日本とはさまざまな違いがあります。
まず駐車場が非常に閑散としていて、人気の少なさを如実に示しています。園内の中心に
ある眠れる森の美女の城も、何か安っぽい作りで、周辺にいくらでも本物のシャトーの
あるフランスでは、いかにも「まがい物」に見えるでしょう。園内の飲食店も平日のためか
半分以上が閉まったままです。パレードも日本よりかなり短く、あっという間に終わって
しまうような印象でした。

9月10日(水)には、ゼミ生を4つのグループに分けて、あらかじめ自分たちでまとめた
行動計画に沿って調査を行う「グループ行動日」にあてています。3つのグループは
パリ市内やルーブル美術館などをさらに詳しく見て回り、1つのグループは特急電車で
隣国ベルギーのブリュッセルまで日帰り往復を行いました。自分たちでテーマを決めて
計画を立て、さまざまな手配も行い、行動をしてみることは、自主性を養ううえでとても
大事なことであると考えて、毎年このような試みを続けています。

9月11日(木)は帰国日で、朝から空港に向かい、またシンガポール経由で帰国しましたが
羽田空港に戻ってくるのは、翌日の9月12日(金)になるというわけです。

<ちょっとお知らせ>
なお、今回の海外ゼミ研修については、11月10日(月)の昼休みに行う海外ゼミ研修
成果報告会で参加した学生自身が発表を行います。このブログをお読みになっている
学内の方で、ご興味が湧かれたら、ぜひ成果報告会にもお越しください。

引率教員として思うこと

柴田ゼミの海外ゼミ研修も、一昨年、昨年と続けてきて、今回が3回目となりました。
毎年のことなのですが、帰国後すぐに、海外ゼミ研修参加者にレポートを書いてもらうと、
「もっと英語の勉強をしておけばよかった。もっといろいろ意思疎通できたのに・・・」
というような声が非常に多く聞かれます。しかし、どうもそのような向学心?も一時的な
もののようで、クリスマス頃には忘れ去られてしまうようです。これは引率教員としては
非常に残念なことだと思っています。そのため、来年度は英語圏の土地、具体的には
イギリスかアメリカ東海岸を訪問するような海外ゼミ研修を行いたいと考えています。
4月のうちから、学生の英語力を向上させるような仕掛けを設けて、とにかく現地で
自分の英語力を試してみるような企画を立てて、異文化コミュニケーションを実践
したもらいたいわけです。(もっとも、私は英語の教員ではなく、あくまで経営学の教員なので
英語中心のゼミにはならないわけですが・・・)

なお、海外ゼミ研修の制度は、春に参加希望のゼミが申請を行い、審査を経て選ばれた
ゼミの学生だけが支援を受けるわけで、来年度必ず選ばれるという保証はありません。
ただし、堺学長の方針としては、グローバル時代に向けて海外ゼミ研修に派遣するゼミ数を
増やす方向にあります。そのため、しっかりとした企画、しっかりとした準備のできる
ゼミにとっては選ばれる確率が高まっているとも考えられます。教員の側にもますます
創意工夫が必要だ、ということなのです。

(文責:経営学部教員 柴田高)

2014年10月20日月曜日

大阪のソウルフード≪串揚げ≫の模擬店を出店!!

こんにちは。 流通マーケティング学科教員の田中です。
今回は田中ゼミの活動についてご紹介します。

田中ゼミでは,経営学とマーケテクングを勉強して葵祭(学校祭)で模擬店を出店することを,
ゼミ生全員の活動として行っています。

葵祭については,次の公式HPを見てみてください。
  ↓↓↓      ↓↓↓       ↓↓↓
http://www.h3.dion.ne.jp/~aoisai/smartphone.index.html

毎年,面白い出店や楽しいイベントが開かれています。
今年はNMB48が来るらしいですよ。

NMB48といえば大阪・なんばを基盤にしたアイドルグループですが,
今年の田中ゼミは,なんと,大阪のソウルフード≪串揚げ≫を販売することになりました!
串揚げを販売することはずいぶん前に決まっていたので,偶然なのですが,
なんともタイムリーな商品にしたものです。


ということで,今年の夏のゼミ合宿は,串揚げの本場,大阪に行っていました。
2泊3日の行程です。

宿泊先は道頓堀沿いの旅館でした。
大阪らしい景色です。

新世界で待望の本場の串揚げを探します!


串揚げを食べ終わって,通天閣の下で感想を話し合うゼミ生。

夜には勉強会です。今日の成果はどうだったかな?


2日目も地下鉄に乗って大阪市内を調査です。

大阪最後の夜は懇親会です!
たくさん移動したのに,元気です。


このように,本場の串揚げを調査しつくしたゼミ生は,大学に戻り,さらにお店のコンセプト,
店内レイアウト,サービスなどお店づくりの詳細な戦略を練りました。

そして,最後の製品開発が東経大武蔵村山キャンパスの研修ハウスで行われました。
今年,3度目の合宿になります。

一生懸命作っています。

田中ゼミの特徴は,女子だけでなく,男子も料理が上手です!

大阪での調査を生かして,様々な試作品が試みられたようです。

会議は深夜にまで続きました。
でも,楽しそうですね!


このようにして,作られた,田中ゼミの串揚げは,葵祭で販売されます。
お店の名前は≪タナカと串の女王~Let It Go 揚げのままで~≫です。

今年大人気の映画と似ているような気がしますが,串揚げはオリジナル商品ですよ!
NMB48のメンバーも食べに来てくれないかな?

お店の位置は葵陵会館の前(入口から2軒目)です。
ぜひ,串揚げを食べにきてください!
そして,東経大の雰囲気を楽しんでいってくださいね。

それでは,田中ゼミのブログはこれで最後になります。
皆さんの入学お待ちしています!!


文責: 田中智晃

2014年10月19日日曜日

16年分の思い

みなさま。
ご無沙汰しております。流通マーケティング学科の森岡です。

秋も深まり、食欲も増していることかと思います。
他方で、勉学の季節でもある秋。各ゼミともそれぞれの分野で研究を進めているようです。その成果は、2014年12月13日(土)にオープン・キャンパスと同日開催される経営学部合同ゼミ報告会にて発表予定ですので、どうぞご期待ください。

さて、研究に関連して、大学学部の最終学年である4年生のそれに焦点を合わせてみましょう。ゼミで学ぶのは、何も2・3年生だけではありません。多くのゼミで、4年生も授業に参加し、後輩の指導などにあたっています。そして、その多くが自らの研究にも一生懸命になっています。

そう。卒業論文。いわゆる卒論です。
経営学部では「研究論文」という名称で開講されています。しかし、シラバスをよく見てみると・・・ん?講義の日時が指定されていない!ということは、「いくらでも楽ができる!?」

そのように考えてしまう人はおそらく「研究論文」履修者にはいないでしょう。むしろ、逆で、「日々の積み重ねで執筆していかねば!」と考える学生がほとんどです。そして、経営学部では学部設置50周年を迎える今年度を期に、そのような学生の研究成果を讃えるべく、「卒論表彰制度(正式名称未定)」を設けることを決定しました。

考えてみると、卒論執筆は、小学校に入学以来、義務教育・高等教育の16年間の成果をまとめる機会になっています。これまでに習得してきた技術・ノウハウを総動員して、自ら問いを立てて、それに解答する。このプロセスで得られるものは、きっと社会に出たときに自らに自信を与えてくれるものになるでしょう。

16年分の思いのこもったその卒論は、寒い真冬に提出されることになりますが、それを執筆し終えた人の胸中はきっと・・・

あったかいんだからぁ〜♪(©クマムシ)

追記:先日聞いたのですが、現在ブレイク中の「クマムシ」というお笑いコンビの佐藤大樹さんは、経営学部の柳瀬典由ゼミ(リスク・マネジメント論)のOBということです。

文責:森岡耕作(経営学部准教授:マーケティング論他担当)

2014年10月13日月曜日

「大学の講義風景―入学後最初の講義流通マーケティング入門にて―」


流通マーケティング学科の丸谷です。3回目の執筆です。このブログが充実した学生生活をイメージいただくことを目的としていることもあり、ゼミやそれに伴う課外活動について紹介しているようなので、私は敢えてゼミ課外活動同様に重要だけれど退屈と思われがちな講義について取り上げてみたいと思います。

私が担当している講義は、「流通マーケティング入門」と「グローバル・マーケティング論」ですが、今回は経営学部に入学したての1年生が履修する「流通マーケティング入門」について取り上げてみたいと思います。

皆さんは大学の講義というどのようなイメージを持たれているでしょうか?大学の講義の風景はこのブログでも森岡先生が意識している湯川教授が主役の「ガリレオ」シリーズや、大学が舞台の多くのドラマ作品などでも取り上げられているのでなんとなくイメージがわくのではないでしょうか?

湯川先生は物理学者なので経営学部とは多少イメージも異なりますが、201446月期に放映されていたドラマ「ブラック・プレジデント(フジテレビ系列で火曜日午後10時から放映、2014910日にDVDボックス発売済み)」では、毎回のように経営学部の授業風景が出てきます。このドラマは沢村一樹さん演じる叩き上げの急成長アパレル系企業の経営者が経営学部に社会人入学し、ブラック企業経営者ならではの視点で黒木メイサさん演じる経営学部の講師やその大学の学生達とかかわっていくというコメディです。
このドラマの授業風景で特徴的なのは、沢村さん演じる社長が階段教室と呼ばれる数百人収容可能な教室の一番前に毎回陣取り、その他の学生さんはなるべく後ろの方に座って授業を受ける光景です。大学の講義の多くは高校までとは異なり、自由席であるため早いもの順に席が決まるため、こういった光景になります。
私の担当する講義でも稀に一番前に座り積極的に質問に来る学生もいらっしゃいますが、ほとんどの場合、出入りがしやすい後ろの席から埋まり、1回目のガイダンスの授業での先生の授業のやり方を考えて、2回目以降は席取りを行っているようです。
私はこのような傾向を踏まえて、担当する『グローバル・マーケティング論』の講義を例にあげれば、当初一体感を持ってもらうために、枕の部分では、なるべく学生さんに話しかけるようにしています。私はメキシコで生まれたので、「メキシコっていえばどんなイメージ?」、サッカーの欧州チャンピオンズリーグやスポーツの国際的イベントの前後なら、「昨日・・・の試合どう思った?」、感動した映画があれば、「・・・って映画見た?」などといった感じです。
そうやって席を回って、ちょっと集中できていない学生さんやスマホを気にしている学生さんに積極的に話しかけることによって、一体感を持ってもらうようにします(ちなみに、私の講義ではガイダンスの中盤くらいに映画館と同じルールというように、スマホ携帯は電源を切って鞄にしまうこと、私語はしないこと、遅刻しないことを説明し、徹底するようにしているので、最初の時点ではスマホを見ている学生が稀にいます)。
心がけているのは、学ぶために講義に来ているのだから、正解を出した学生さん以上に、議論を広げるような間違いをした学生さんをどのように良い間違いなのか伝えることによって、講義への参加を促すことです。
 




大学の授業は高校までと違って90分と長いですが、単調にならないように教員は工夫をしています。例えば、講義が聞くだけにならないようにカッコつきのプリントを配布したり、教材に線を引くようにしたり、授業に関連ある編集したDVDを見たり、5-10分で取り組んでもらう課題を設定して、講義内で発表してもらったりしています。「流通マーケティング入門」は3つの部分に分かれていて、第1パートは流通とマーケティングとは何かを理解し、その違いを学習する。第2パートは流通の主要な担い手である小売業者と卸売業者の役割に関する基本的な内容を学習する。第3パートはマーケティングの概要を学習する。この科目は入門というだけあり、半期15回のうち第2パートが終わった後に中間試験、学期末に期末試験があります。

2年生以降の科目の多くでは、持込み許可物件が指定されているケースが多いのですが、入門科目の多くは、その学問分野の基礎的な内容を覚えてもらう必要があるため、持込み不可という条件での試験が多く、実際私の場合も専門科目である「グローバル・マーケティング論」ではテキスト配布プリント持込み可(書き込みも自由)ですが、入門科目は一切持込み不可です。

ちなみに、私はここ数年後期開講の「流通マーケティング入門」の再履修クラスも担当しているのですが、単位が取れなかった多くの学生さんは実力がないわけではなく、2時限目の開始は1040分からなのですが、大学の自由な雰囲気を謳歌しすぎたり、初めての一人暮らしでペースを上手く作れない等の理由で、講義の最初や試験前に寝坊したり欠席したりしたといった学生さんが多いようです。

もちろん、毎回の授業は入門だけに全て大事なのですが、入門とはいえ入門の最初の方の内容は非常に簡単ですし、試験前には当然試験を意識して授業を行いますから、これは高校でもやっていたと思うのですが、講義の初回や試験前に関しては普段にも増して欠席や遅刻をしないように気を付けると単位を落とす確率は低くなると思います。

文責:丸谷雄一郎(流通マーケティング学科 教授)