2014年1月29日水曜日

香港の学生と国際交流しよう!! ~山本ゼミのお・も・て・な・し~


 皆さん、こんにちは!! 経営学部の山本聡(担当:中小企業経営論)です。数週間前に投稿したばかりですが、再びのblog投稿です。

 これまで、TKU Business blogでは、東経大生が海外に赴く「海外ゼミ研修」が何度か紹介されてきました。今回は、今までとは逆に、海外の大学生が東経大を訪問し、東経大生と国際交流したケースを紹介しましょう。大学の教員は国際学会や国際会議に参加したり、海外調査をする機会が多く、世界各国の教員・研究者と人脈があります。今回、知り合いからの連絡で、山本は香港にある香港専業教育学院の教員・学生50名の東京ツアーを受け入れることになりました。良い機会なので、山本ゼミのゼミ生にも東京オリンピックで一躍、有名になった

おもてなしの精神

で、国際交流を経験してもらうことにしました(ちなみに、滝川クリステル女史は、私の中学校の一年上の先輩でした。知りませんでした)。日本にいながらにしても、国際性は磨けるのです!!
また、先方が大人数ということで、同じ現代経営コースの柴田先生&ゼミ生にも参加をお願いしました。

 2014年1月10日13:00、香港専業教育学院の教員・学生を乗せたツアーバスが東経大に到着。三グループに分かれてもらい、山本ゼミではそのうちの一グループを国分寺駅前の殿ヶ谷戸庭園散策に招待しました。他の二グループは国際交流課の職員の方々の案内で、東経大キャンパス・ツアーを体験してもらいました。


ゼミ生が殿ヶ谷戸庭園を紹介します

殿ヶ谷戸庭園前で、記念撮影



三グループが東経大内外の散策を終えたら、今度は会議室で国際交流です。日本・香港の教員間で各大学の紹介をした後、学生の代表に「英語」でプレゼンしてもらいました。


東経大・教員からの国際交流・主旨説明


香港の先生からのご挨拶

香港専業教育学院から「記念の盾」を頂きました。

山本ゼミの代表が英語で挨拶・スピーチをします。かなり緊張しているようでした。
リラックス!!

香港の学生はなんと!!、日本語でスピーチしてくれました。


さて、お互いのスピーチが終わったら、次はウェルカムパーティーです。最初はお互いに英語をしゃべることに物怖じしていた学生も、徐々に緊張がとけ、カタコトでも交流を始めました。英語は最後は度胸と慣れということがわかってくれたのでしょうか。

教員の記念写真


だんだんと盛り上がってきました


記念撮影①

記念写真②


1時間半ほど談笑しましたが、パーティーの終わり頃にはお互いにすっかり仲良くなっていました。ただし、自分の英語力不足を後悔する学生もチラホラ。この経験を機会に、英語学習や留学なんかを志向してくれれば教員冥利につきます。

 最後は富士山の見えるロビーで記念撮影。今度は東経大が香港にいきましょう!!

                  全員集合、80名くらい参加したのかな?



香港専業教育学院からの記念の盾。僭越ながら、山本の研究室に飾らせてもらってます。



文責・経営学部 山本聡







 



2014年1月21日火曜日

会社が見える・会社が分かる映画と経営学のお話し

 皆さん、年初から既に3週間も経ちましたが、あけましておめでとうございます。
経営学部教員の柴田です。このブログも2巡目に入りました。
今回は、経営学の主要研究対象である「会社とはなにか?」について考えてみましょう。
(今回、字ばかりの地味ーーな書き込みになってしまいました。本当は、映画やDVDの
画像などを盛り込んで、派手な作りにしたいのですが、著作権や肖像権・意匠権などの
複雑な問題を避けるため、やむを得ずこのようなblogになっています。あしからず。)

 経営学というものは、私たちが暮らす世の中で「会社」という存在がどのようなもので
あるのか?何をしているのか?を考えるものです。もちろん「会社」ではない、役所や
組合、NPO法人などの組織も大事な研究対象ではあるのですが、やはりもっとも大きな
部分を占めているのは「会社」、とりわけ株式会社という組織であると思います。実際に、
1年生を主対象に開講している経営学の入門科目「基礎経営学a・b」も株式会社が
どのようなものかを中心に講義しています。つまり、経営学の授業とは、会社が見える、
会社が分かるようになることを目指しているわけです。

 ところが、大学に入学して来る学生のほとんどにとって、「会社」というものは、なかなか
ピンと来ない存在のようです。たしかに、自分が会社で働いた経験があるわけではないし、
ご両親のどちらかが会社勤めをしていたとしても、実際に働いている様子を見たことが
あるわけではなければ、無理もないことだとは思います。もちろん、コンビニや外食産業
などでアルバイト経験のある学生は多いでしょう。コンビニや外食産業も今日では、
株式会社組織になっているところが多いのですが、やはりアルバイトというものは、
特定の職場で、指示された内容の仕事のみを一時的に担当するだけですから、組織
全体としての意思決定に参加しているとは言いにくく、「会社の片隅」を体験している
段階にとどまっていると言わざるをえません。

 振り返って見ると、中学や高校でも「会社」というものを学んでいるはずなのです。たとえば、
中学3年生の社会科(公民)の中で、4種類の「会社」、つまり、合名会社、合資会社、合同
会社、株式会社の違いについて、必ず習っているはずです。しかし、合名会社や合資会社
には無限責任社員が必ず存在するけれども、合同会社や株式会社は有限責任社員のみで
構成されると、文字の上の知識として覚え込んでいたとしても、会社という生きた組織が
誰によってどのように動かされているかという点については、なかなか想像がつかない
でしょう。このあたりに、経営学を教える側にとっても非常に大きな悩みがあるわけです。

 私は、たまたま本学に奉職する前の20年間、電機メーカーの会社員として勤務してきました。
そのため、職能(機能)別組織と事業部制組織の違いや社内ベンチャー、あるいはプロダクト
ライフサイクルの進行にともなう競争戦略の変化など、基礎経営学の教科書に登場する
さまざまな事柄を、自分の仕事として直接体験してきました。基礎経営学を担当している教員の
中では、私の他にも加藤みどり先生や関口和代先生は民間企業に何年も勤務された経験が
あるため、やはり同様の経験をお持ちだと思います。しかし、直接知っていることであっても、
「会社勤め」というものを全く経験したことのない大学生に、臨場感を持てるように教えるという
のは、とてとても難しいと言わざるを得ません。

 それを補う方法としては、会社を舞台とした映画のビデオを見て、会社という組織がどのように
動いているのかを、理解できるのではないか、と思っています。(テレビドラマでも良いのですが、
連続ドラマとなると全てを視聴すると長時間になるため、効率が悪くなります。)
2013年度から基礎経営学の授業で、まず最初にビデオを見てもらっている理由がこれです。
今回のblogでは、会社が見える・会社が分かるビデオ教材としての映画と、その見どころに
ついてご紹介してみましょう。なお、一応、現在でもDVDなどで購入したりレンタル店で借り
られるものから選びました。

『サラリーマンNEO劇場版(笑)』

主演:小池徹平 監督:吉田照幸 製作:NHKエンタープライズ (2011年11月)
DVDはこちら

 2004年からNHK総合テレビで放送されてきた、サラリーマンの生態を題材としたバラエティー
番組「サラリーマンNEO」からスピンアウトした映画です。テレビ番組自体が、会社勤めの
経験者から見ると「ある、ある」と苦笑させられる事の多いものでした。それが劇場版に
なってパワーアップしています。あらすじは、次のようです。

 新城(小池徹平)は、第一志望ではない業界5位のNEOビールに入社する。課長・中西
(生瀬勝久)を筆頭に、何かと不条理な目に遭う川上(沢村一樹)など、一筋縄にはいかない
メンバーが揃う営業一課に配属された新城は、量販店まわりや接待など、絵に描いたような
サラリーマン生活を始める。その頃、全国酒類協会ゴルフコンペで、業界1位の大黒ビールの
布袋社長(大杉漣)に惨敗したNEOビールの根尾社長(伊東四朗)が、大黒ビールを抜いて
シェア1位を目指すと宣言し、新商品のアイデアを出すよう全社員に厳命する。さっそく
営業一課でも企画会議が開かれ、新城がその場しのぎで口にしたある企画にGOサインが
出てしまい、事態は思わぬ方向に転がり出す。

 たしかに、新入社員が新製品開発プロジェクトのリーダーに突然抜擢されるはずはないだろう、
などと突っ込みどころも満載なのですが、営業や宣伝広告、総務、製造などの部門化と分業の
しくみ、新製品の企画が承認される意思決定プロセスなどがよく分かります。また、それと
同時に、このような映画やバラエティー番組が人気を博す背景として、実際の会社でも、
教科書通りの合理的かつ最善の意思決定が行われているわけではなく、不合理と不条理が
堂々とまかり通っているのだということも知ることができます。

『ハゲタカ』

主演:大森南朋 監督:大友啓史 配給:東宝 (2009年6月)
DVDはこちら

 NHK総合テレビで2007年に放送されたドラマ「ハゲタカ」がたいへん好評で、その続編の
形で映画化された作品です。あらすじは、次のようです。

 鷲津(大森南朋)は、ファンドマネージャーとして日本企業を買収し「ハゲタカ」という異名を
持つようになった。鷲津は芝野(柴田恭兵)とともにあけぼの光学を立ち上げた後も、着々と
企業買収を繰り返していた。芝野は、日本を代表する自動車企業アカマ自動車に役員として
迎えられ、企業再生の道を模索していた。一方、中国政府系ファンドの意向を受けた劉
(玉山鉄二)はアカマ自動車のTOBに乗り出すことを宣言する。そこには中国政府が自国へと
技術を取り込みたい思惑があったのだが、劉はそれを知る由もない。一方、鷲津は劉の
記者会見を知り、MGS銀行頭取・飯島(中尾彬)とアカマ自動車社長・古谷(遠藤憲一)の
要請にてホワイトナイトとしてアカマ買収に立ち向かうことを決意する。

 企業買収など、難しい概念や用語がいくつも出てきますが、会社は誰のものなのか、
というコーポレート・ガバナンスの問題がよく分かります。

『県庁の星』

主演:織田裕二 監督:西谷弘 配給:東宝 (2006年2月)
DVDはこちら

 織田裕二主演の映画『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(2003年)
も、ピラミッド型の官僚制組織の警察とネットワーク組織のゲリラ集団の対決という、経営
組織論の題材としてたいへん興味深いものですが、「会社」を舞台としているわけではないので、
こちらを選びました。あらすじは、次のようです。

 K県庁のキャリア公務員としてプライドの高い野村聡(織田裕二)は民間企業との人事交流
研修で、営業差し止め寸前のスーパー「満天堂」にやってくる。この店には客も少なく、店員の
モチベーションも低く、役人の常識は全く通用しなかった。野村は邪魔者扱いされ、惣菜部門に
まわされる。そこでの不衛生で法外な行為を指摘すると、野村率いる適正素材を使い高級
弁当を作るAチームと、現状維持のBチームとして分かれて競争することになるが、Aチームの
弁当はほとんど売れなかった。ず、チーム内からも反発される。野村の教育係となったパート
店員の二宮(柴咲コウ)に連れられて、デパート地下の食料品売場などを調査するうちに、
データでは分からなかった顧客の性質に気づかされ、野村は自分の視野が狭かったことに
気づき、満天堂の経営を改善し、研修を終える。県庁に戻った野村は自らの希望で生活
福祉課に異動し、自身の出世より県民の生活を重視した提案をするようになる。

 スーパーマーケットの店舗では、店長・副店長などの責任者の元に、いくつもの売場や
厨房などの部門に組織が分かれ、それぞれの職場の業務に適した服装や作業手順が
決められて、分業が進んでいます。この『県庁の星』と、宮本信子主演の映画『スーパーの女』
(1996年)はどちらもスーパーマーケットの運営の裏側までよく分かります。

『陽はまた昇る』

主演:西田敏行 監督:佐々部清 配給:東映 (2002年6月)
DVDは発売元のJVCエンタテイメントのリンクが消滅していますが、
Amazonなどから購入可能です。

 また、配給元の東映からiTunesでダウンロードできるようになりました。

 1970年代半ばに日本の家電業界を真っ二つに分けた激烈なホームビデオ戦争に勝利した
日本ビクターのVHS開発物語の映画化です。2000年4月にNHK総合テレビで、事業部長の
高野鎮男さんを紹介した番組「プロジェクトX 挑戦者たち 窓際族が世界規格を作った」が
放送されたいへん好評で、何度も再放送されたことから映画化されました。元の「プロジェクト
X」の方もDVD化されていますので見る価値があります。映画のあらすじは、次のようです。

 家電AVメーカーとして業界8位の日本ビクターでは、加賀谷静男(西田敏行)に赤字続きの
非採算部門、横浜工場ビデオ事業部長への異動命令が下りる。加賀谷に課せられた指令は
大規模なリストラだった。しかし、加賀谷は従業員たちに向かって夢だった家庭用VTRを極秘に
開発しようと打ち明ける。しかも一人の馘も行わないというのである。この時、家電メーカーの
雄・ソニーが商品化にあと一歩の所まで漕ぎ着けていたのであった。密かに試作品を作った
加賀谷たちは、親会社であり、日本最大の家電メーカー松下電器産業の創業者・松下幸之助
(仲代達矢)に直接見せ、逆転を図る。

 私の元の勤務先はこの映画の敵役の方なのですが、それでも見ていて泣けます。製造業に
おける製品別事業部制組織が、自律運営、独立採算を目指すのだということがよく分かります。
家電メーカーの製品開発と新規事業化については、2013年のNHK総合テレビのドラマ『メイド・
イン・ジャパン』でも非常によく描かれていました。ドラマですからどうしても長時間になるのが
欠点ですが。
DVDはこちら

『ガン・ホー』

主演:マイケル・キートン 監督:ロン・ハワード 配給:パラマウント映画(1986年3月)
DVDはこちら

 最後はちょっと古い海外の映画ですが、日本企業がアメリカに生産工場を設立する際に
生じる、日米間のカルチャーギャップを、これでもかというくらい大げさに戯画化したもので、
「日本企業」が舞台になっている映画というわけです。あらすじは、次の通りです。

 アメリカの田舎町で閉鎖された工場を、日本のアッサン(圧惨自動車)が買収し、再建に
かかる。ハント(マイケル・キートン)は現地の労働者と日本人の間の調整役に任命されるが、
両者の間にいろいろな摩擦が生じてくる。お互いの溝は深く、簡単に分かり合うことが
できないままであった。しかし彼は本社と工場にはさまれ、同じように悩む日本人責任者の
高原(ゲティ・ワタナベ)と協力し、本社役員の坂本(山村聰)を納得させるべく努力して
いくのだった。

 この映画が製作された1986年はG5プラザ合意の翌年であり、円高ドル安のために日本
企業が海外生産を本格化させていった、まさにその時期にあたります。また1984年12月
には、トヨタとゼネラル・モーターズ(GM)が合弁事業でカリフォルニア州に設立した組立
工場のNUMMIが生産を開始し、トヨタ式生産システムを導入して、GMの他の組立工場
よりはるかに高い生産性を実現して、「NUMMIの奇跡」などと呼ばれていました。このような
時代背景をもとに製作された映画だと思って見ると、当時のアメリカ人が日本人をいかに
不思議な存在と認識していたのかが、よく分かります。


 まだまだ他にも見どころのある映画はありますので、また機会があればご紹介致しましょう。
これらの映画を通じて、皆さんが「会社」という存在をより身近なものに感じて頂ければ
まことに幸いです。

文責:経営学部 柴田 高














2014年1月14日火曜日

《餃子のお店》の経験を発表!

こんにちは^^ 流通マーケティング学科教員の田中です。
今回は私のゼミの活動について紹介します。

田中ゼミでは、11月1日(金)~11月3日(日)まで開催された葵祭(学祭)に
《餃子のお店》を出店しました。
↓↓↓ 詳しくは↓↓↓
http://tkubiz.blogspot.jp/2013/11/blog-post.html

葵祭2日目の段階で、人気投票1位になっていた「ゴウティエワロスwww」(餃子店の名)ですが、
最終結果は≪2位≫でした。

少し、残念でもありますが、田中ゼミとして初めて出したお店としては、
まずまずの結果で、素晴らしいと思います(*´▽`*)

頂いた表彰状です!


大学からは、立派な表彰状と商品券をいただきました!
(商品券はゼミの飲み会に使われたようです。)
売上金額はゼミ生で山分けです(^v^)

この葵祭での経験を12月8日(土)に開催された≪経営学部 ゼミ研究報告会≫で発表しました。
この報告会は東経大経営学部のゼミに入っている学生なら、誰でも発表資格がある、
年末恒例の一大イベントです。

ただ、ゼミ生全員が発表できるわけではなく、各ゼミの代表者が発表しており、
その選考基準はゼミによって様々です。
私のゼミでは「発表したいで~す!」と手を挙げた人が発表しました。
そのため、発表に向けてのモチベーションはすごく高かったです。
ゼミの授業内でも2回リハーサルを行い、当日に向けて万全の準備を整えました。

リハーサルや準備の過程で、マーケティングや経営学を用いた分析
(4P分析やSWOT分析など)を再度行い、自分たちが営業したお店について考察しました。
そうすると、気が付かなかった「良かった点」や「改善点」がたくさん見つかりました。
学問ってこのように使うと便利な道具ですよね!

発表当日~(^o^)

発表前です。ちょっと、あたふたしてますが、大丈夫かな?


始まってみると、立派なプレゼンです☆
力作のパワポも分かりやすいです。

交代しながら4人で発表しました。

発表しないゼミ生も真剣に聞いています。

フロアから出た質問にも丁寧に答えられました!
準備を入念に行った成果ですね^^

発表終了後には、ゼミ生全員で記念写真です(^^♪

発表が終わり、健闘をたたえあっています。

前列4人が発表したゼミ生。オレンジのTシャツはお店のユニフォームです^^

全ゼミの発表が終わった後には、大学が準備してくれた懇親会です(無料)。
なんと、軽食と飲み物を用意してくれます(東経大ありがと~)。

早く食べないと、なくなってしまいます(^_^;)
会場は東経大生お馴染みの学生食堂です。

就活中の3年生も発表会にきました。
お酒を飲んでいるようですが、ジュースです!

発表したゼミ生、本当にお疲れ様~
素晴らしい発表でしたよ☆


ということで、今年度の田中ゼミの大きなプロジェクトである、
《餃子のお店》を出店しよう!は、こうして大成功のうちに終わりました(*´▽`*)

この他に私のゼミでは、卒論に向けた個人研究にも取り組んでいます。
この様子は、3月のブログで!
それでは、またお会いしましょうね(^_-)-☆

文責: 田中智晃(経営学部専任講師)

2014年1月6日月曜日

ゼミで過ごす1年 -加藤ゼミの例-

 明けましておめでとうございます。経営学部の加藤です。
 皆さんはどんなお正月休みを過ごされましたか?
 
 大学生にとって、冬休みの終了=試験シーズンへの突入です。それを乗り切れば、就活生以外には、また楽しい春休みが待っています。
 しかし、高校と異なり大学は、自分で自己育成プランを立てねばなりません。実際には、卒業要件を満たしつつ、かつ自分の目標に少しでも近づく科目選択が必要になります。
 大学の講義は、高校より大人数が同時受講する事が多く、どうしても一方通行になりがちです(ただ、最近は「アクティブラーニング」を取り入れる講義も増えていますから、黙って座っていれば安心と考えるのは甘いです)。
 一方、ゼミは学生が主体です。教員から言わせると、ゼミで学ばないなんて大学生活がなんてもったいない!というところで、学生がぐんぐん成長する姿を見るのは大変な喜びでもあります。

 東経大では、2年生からゼミ(科目名は演習)に所属でき、最大3年間単位取得できます。他大学で多いのは、3年次から2年間所属するというパターンですが、東経大ではなんと!毎年ゼミを変えることも可能です。

 ゼミ選びは難しいとの声もよく聞きます。今年度は山本先生の発案で、複数の現役ゼミ生が1年生に説明する場をつくっていただたのですが、異なるゼミの学生が口々に「テーマより、先生との相性やゼミの雰囲気で選んだ方がよい」とアドバイスしていたのが印象的でした。
 誰かのフィルターがかかった「うわさ」ではなく、自分で教員や現役ゼミ生に話を聞くことを勧めます。直感は結構正しいと思いますよ。

 2014年度の初回のゼミの応募は、3月中旬の3日間です。例年、うっかりして期限までに応募できなかったとの話を耳にします。応募は3回まで可能ですが、その1/3を逃さないよう、スケジュール管理はしっかり行いましょう。

 では、皆さんのゼミ選びの一助となればということで、加藤ゼミの1年を紹介しましょう。

 まず、加藤ゼミのポリシーは、
 「よく遊び、よく学べ」
 「コミュニケーション!」
この2つです。
 株式ポートフォリオと、ゼミ研究を並行しながら進めて行きます。どちらもテーマ選択は学生が行います。


 4月、新歓BBQからスタート! 講義開始前に実施することもありますが、西立川の昭和記念公園が定番です。外でみんなでわいわい言いながら食べる食事はおいしいですよ〜。午後には併設のスポーツ施設でフットサルなども。



 ゼミの初回は他己紹介です。他己紹介とは、2人でペアをつくり、お互いに「どんな人?」をインタビューし、その人に成り代わって紹介します。ここで、ゼミ生全員が話します。笑い声がわき上がるというより、ものすごい歓声に教室が包まれます。
 また、この時点で、ゼミ研究で研究したいテーマを共有します。これは結構重要です。1年間のグループワークのメンバーが決まるのですから、きっと教員には見えないところで、学生同士の駆け引きがあるのでしょう。
 新歓コンパはGW明けになることもありますが、この頃には皆すっかり打ち解けて楽しそうです。

 GW前後に、2つのデータベース講習を受けます。2つとも、東経大図書館が持つ企業財務DBで、ゼミの課題で大活躍します。
 私は、学生にデータハンドリングを大いに推奨しています。社会では、論拠ない主張は受け入れられないからです。また、就活時の企業選びに活かして欲しいとの思いも強いです。就活を開始してからDBをいじり始めたのでは、遅いですから。
 
 4月の終わりには、株式ポートフォリオのチームが編成されます。5月の構想発表会に向け、グループワークがスタートします。
 ポートフォリオとは、金融資産の組み合わせを指します。
 なぜ組み合わせか?金融資産は、基本的にハイリスクハイリターン(儲かったら大きいが元手がなくなるリスクも高い)か、ローリスクローリターン(元手が失われる可能性は低いが、儲けも小さい)しかありません。しかし、理想はローリスクハイリターンですよね。1つの金融資産では無理でも、異なった性質の商品をうまく組み合わせれば実現可能という訳です。
 株式ポートフォリオですから、すべて株式会社の株で構成されます。実際には、今後成長しそうな分野やビジネスを探り、関連企業の株を購入していきます。いえ、買わなくてもいいのですが、加藤ゼミでは、バーチャルマネー1000万円を使えるバーチャル株取引ゲームと組み合わせて、実際の株価を元に楽しんでいます。1000万円を株に自由に使える実生活はなかなかできないですし、お金の恐さ、大切さも知って欲しいので。


 株式ポートフォリオ学習の目的は、

  • 世の中には学生の狭い情報源にはひっかかってこない優良企業が多数ある
  • ひとつのビジネスに多数の産業が複雑に関与している
  • 株価が予測通りに動かないのは、自分たちが入手できていない情報があることに気づく

などですが、すべては「いい企業を根拠を持って選ぶ目を養い、就活に活かして欲しい」との一点に集約されます。
 
 5月に株式ポートフォリオの発表会が終わる頃には、ゼミ研究のテーマ決定とチーム編成を行います。ポートフォリオのグループワークや飲み会を通じて、学生同士は互いにどんな人物かをわかりつつあります。また、資料調査を通じて今までにない新情報のシャワーを浴び、興味や関心がどんどん変わって行きます。

 1期のゼミ研究は、研究対象企業の業績や、所属する産業の特徴など、いわゆる「業界研究」です。大まかな研究対象は決まりましたが、研究テーマの絞り込みはまだ先です。業界研究は研究の基礎の基礎で、どんなテーマになってもほぼ間違いなく使うデータです。また、これらをハンドリングして行くうちに、徐々に知識が増え、関心がシャープになって行きます。

 合間には、東京証券取引所にも見学に行きます。よくTVの経済ニュースに写ってますよね、銘柄と株価が書かれた円筒形の電光掲示板が回っている光景が。チッカーを目の当たりにした学生の反応は....「TVで見たやつだっ!」....ちょっと残念。

団体見学すると、東証のシンボル的ディスプレイに団体名を表示してくれます


 加藤ゼミでは毎年夏休みに、山梨大学西久保先生ゼミとインターゼミを行っています。1期のゼミの合間に、インターゼミのスケジュールや場所なども、複数の学生プレゼン案によりコンペ形式で決めて行きます。

 インターゼミは、例年9月の初旬に開催されます。2013年度は河口湖、2012年度は何と!新木場でした(西久保ゼミが希望したため)。東経大のゼミ合宿には、年間2泊までなら大学から補助が出ます。学生にはありがたいですね。

 インターゼミの初日は、西久保ゼミと合同の株式ポートフォリオ発表会です。他流試合はいいですよ。学生がとても燃えます!前日徹夜して乗り込むチームも、そこそこいます(もっと計画的にやればいいのにと毎年思うのは内緒です)。
 山梨大には経営学部があるわけではなく、またゼミに配属されるのは3年生の6月下旬だそうです。しかし、彼らは夏休みを丸々使って、ゼロから猛勉強し、高いクオリティで発表会に臨みます。すご〜く面倒見がよく、私のゼミ生にも大人気の西久保先生は、これに関しては「崖から突き落とす(ゼミ生談)」タイプの指導をされるそう。確かに、自力で這い上がってこそ実力がつきます。ここは見習うべきですね。西久保ゼミの学生は、本当に手強くも頼もしいパートナーです。切磋琢磨のスパイラルにつきあってくれて、ありがとう!
 発表会は、本当に真剣勝負。普段のゼミと顔つきが違います。

超真剣に発表中
しかし、その緊張も発表会終了まで。終われば楽しい夕食が待っています。
 2日目は、午前ゼミ、午後スポーツ大会というパターンが多いです。
終了後の開放感をパフォーマンス!


 2日目のゼミでは、株式ポートフォリオの反省+今後の対応(発表会でいいコメントをたくさんもらえるので)と、ゼミ研究の研究計画書づくりを主に行います。
 そう、2期からは各チームで決めたテーマと計画に沿って、本格的に深堀りしていきます。その元となるのが、研究計画書です。研究の出来の9割は、テーマ設定で決まると言われています。筋のいいテーマを選ぶ作業は予備知識なしにはできず、各チームとも1期の蓄積がものを言います。

 加藤ゼミのポリシーは、「コミュニケーション!」ということで、企業のミドルマネジャーから毎秋ご講演をいただいています。ミドルと言えば、日本企業のまさに屋台骨です。仕事とは、会社とは、会社員とはなどについて、それぞれのお立場から非常に熱心に語っていただきます。学生にとっては、日常で会う機会が少ない方ですので、質疑も大変活発です。ITベンチャー、エレクトロニクス、食品、素材など業界もさまざまですが、講義で聴いた内容が、実際の企業でこう使われているという発見もあるようです。

 12月には、経営学部恒例のゼミ研究報告会があります。これは、どのゼミにとっても1年間の集大成ですよね。学生は普段はLINEやDropboxやSkypeなどを駆使して、あわない予定を何とか調整してグループワークを進めていますが、直前には毎日遅くまでPL教室に残ったり、大学近くに住まいがある学生の部屋に常駐しているチームもあるようです。

ゼミ研究の合間に、東経大生御用達の竹茂食堂でパワーアップ!
ゼミOBも懐かしくてたまに訪れるようです


 ということで、今年も無事終わりました。

富士重工業の成長要因

小売の脱コモディティ化

NB企業のPB対抗戦略

優良庫から信用金庫の生き残り戦略を探る

海外進出外食企業の現地化戦略    


 






 結果はともあれ.....見てください、この晴れ晴れとした表情を。



 ゼミOBによる就活体験講座も毎年開催します。今年は学生からの希望があって、例年より早く行いました。質疑は、本当に真剣そのものです。教員としては、しばらく会っていなかった元ゼミ生の元気な顔を見れるのも、楽しみのひとつです。

 有終の美は、再び山梨大西久保ゼミとの合同株式ポートフォリオ発表会! 夏に惨敗した年は、特にリベンジに熱が入ります。恐らく2校とも、夏合宿から株式ポートフォリオに取り組む時間はかなり少ないのですが、それでも確かに向上が見られます。
 どの学生も、ゼミに入った4月と比較すると別人のように(ほめ過ぎ)頼もしく成長しています。
 下記の写真のように(2014.1.15追記)。

2013年度は、スケジュールの関係で株式ポートフォリオではなくゼミ研究、卒業研究の発表でした。
西久保ゼミも、加藤ゼミも、よく頑張った!












 今回は加藤ゼミの紹介でしたが、東経大経営学部にはユニークなゼミが多数あります。他の教員のブログも、ゼミの雰囲気を知るのに、非常に参考になるでしょう。
 皆さんも、自分にあったゼミを見つけて、充実した大学生活を送ってください。経営学部の教員が、全力で応援します。