2017年6月21日水曜日

え? ファミマのTポイントがなくなる?!

2017.06.21

経営学部の本藤です。
これまでは【学問のミカタ】は本藤が担当してきましたが、今年度からは色々な先生に書いて頂くことにしました。それが言い訳ではないのですが、ブログのアップが3日ほど遅れてしまいました・・・。申し訳ありません・・・m(__)m


最近のマーケティング系のニュースで驚いたのは「ファミリーマートがTポイントカードを廃止。ラインポイントに切り替えて、独自でデータ収集する方向で進める」というニュースです。

僕は、基本的にJALカード特約店でもあるファミリーマートを利用することが多いのですが、現在予備校生の僕の息子はTポイントカードのポイントコレクターという理由でファミリーマートを利用していました。
今回のポイントシステム変更でどうなるのか、消費者行動の事例として注視しています(笑)


さて、なぜファミリーマートがTポイントを廃止して独自のポイントカードに切り替えるのでしょうか?

Tポイントカードを運営しているのはカルチュアコンビニエンスクラブ(主体は蔦屋書店)です。本来であれば、自社チェーン店のデータを即時利用することが戦略的アジリティー(俊敏性)を強化するためにも必要不可欠です。しかも、コンビニエンスストアという地理的広範性を持つチェーンであれば尚更です。しかし、Tポイントカードで蓄積されたデータについては、この戦略的アジリティーを実現するための仕組みとしては使い勝手が悪かったようです。


Tポイントカードのカード保持者は6000万人を超えており、しかも物販系小売業のほかにガソリンスタンドや外食チェーンなどでの導入も実現していて、極めて価値のある消費者購買データと言えます。ですから、本来であれば、この大量にデータが蓄積され続けるビッグデータは、他社のデータも複合的に開放して圧倒的な優位性を確立すべきでした。しかるに、あまりに巨大なデータベースになっているため、会員企業各社各部門がアクセスすると、サーバーへの負荷は実用に耐えられない可能性があります。そんな理由からかどうか定かではありませんが、いずれにしても自社のIDPOSデータでさえ使い勝手が悪くなる点で、ファミリーマートは大きな軌道修正を決断したようです。

そもそも小売業が自社のID-POSを収集するのは、適切な価格設定、適切な品揃え、適切な販売促進などを実現するためです。価格が下がれば売上があがる商品もあれば、価格を下げても売上があがらない商品もあります。ファミリーマートのように全国チェーンであれば、季節の変動によって、品揃えを北から変更していくケースがあったり、逆に南から変更していくケースがあったりして、その販売データは重要な指標になるのです。


いずれにしても、ファミリーマートが独自に収集し直す場合、再びゼロからカード会員を獲得していかなくてはならず、nanacoカード利用者が5000万人を超えたセブンイレブンとPONTAカード利用者が7000万人を超えたローソンに大きく出遅れてしまったた状況は否めません(ただし直近1年間で利用されているアクティブ会員は、おそらく半分程度ではないかと思われます)。


カードの発行は店頭オペレーションの負荷も甚大になりますから、ファミマアプリ会員からの移行になるような気がします。ポイントを100円分チャージ済みで、アプリでの利用者促進をしてアプリ会員として拡大していくなどの金銭的なインセンティブをしかけるかもしれません。
この意思決定によって、データを使いこなせるようになれば、ファミリーマートの戦略革新につながるかもしれません。近年では、このようなビッグデータをAI(人工知能)で分析する研究も進んでいるので楽しみです。

文責:本藤貴康


2017年6月15日木曜日

「赤」ローソン発見!?(小木ゼミ通信vol.19 コラボ進捗~OC・TFTランチ決定!~など)

 マーケティング論、ソーシャルマーケティング論担当の小木です。今回で19回目となります。


 先日、出張で4年ぶりに広島市にいきました(福山市は昨年行きましたが)。広島市は、名古屋市同様、本当に活気がありました。セパ交流戦も行われていましたし、お祭りも開催しておりましたし、駅前には高層マンションが2棟できるなど、街が大きく変わってきたという感じがしました。


 すごいことに、広島駅から徒歩圏に、マツダZOOM‐ZOOMスタジアムがあるのですが、私が驚いたのは、その脇にコストコがあること(こんなメインステーションの近くにあるのが信じられない)!これは多くの小売店にとっては脅威ですね。そして、なんと球場横のローソンが広島カープバージョンとして赤くなっていたことです(通称・赤ローソン)!?業界2位のローソンは、エリアマーケティングを駆使して頑張っているんですね。


広島カープ仕様の通称・赤ローソン!?カープグッズ充実してます

 応援するファンの皆さんは、コストコでピザやホットドックを購入して観戦するのだそうです。カープはぶっちぎりに強いし、球場内にはカープ女子が闊歩し、BBQをしながら野球観戦ができるチケットもあり(シーズンを通じてSOLD OUTだそうです)、中日ドラゴンズのファンの私からしても、本当にうらやましい!と感じました。やはりスポーツといえどもマーケティングは必要ですね。


 と、ソーシャルマーケティング論の授業でもスポーツマーケティングの回で話をした次第です。


 さて、今回のラインナップは、次の通りです。

1.成績優秀者表彰開催
2.コラボ企画①:Web「国分寺物語」
3.コラボ企画②:TFTランチ 今年も6月末~7月上旬とオープンキャンパス4日間で実施!


1.成績優秀者表彰開催

5月17日に、経営学部・経済学部の成績優秀者表彰がありました。小木ゼミからは、2名が選ばれました。ゼミ生の皆さん、そして小木ゼミ希望の1年生や高校生の皆さん、日々精進して下さい。


2.コラボ企画①:Web「国分寺物語」

新たに2年生のゼミ生を加え、今年も「国分寺物語」がキックオフしました。早速、6月4日に「こくベジ」(http://www.kokuvege.jp/)のイベントにボランティアとして参加しました。

 今年の学年企画は、国分寺マップの作成と聞いていますが、今後の動向はいかに!?


3.コラボ企画②:TFT健康ランチ:今年も6月末~7月上旬とオープンキャンパス4日間で実施!

本年度の「TFT×東経大生協×小木ゼミコラボ:健康ランチ販売プロジェクト」ですが、ようやく日程がきまりつつあります。6月1日に試食会が行われ、メニューなど詳細が決定しました。

 東経大・小木ゼミが進める本プロジェクトは、

小木ゼミ女子プレゼンツのプロジェクト

なのです。

 本取り組みは、すでに5年目を迎え、東京都内の大学でもまだ数校しか行っていないものです。本プロジェクトは、皆さんが購入してくれた健康ランチの売上の一部(20円)をアフリカの子どもたちの給食に寄付する取り組みです。

 これまでのTFTメニューをまとめてみましょう(詳しくは、バックナンバーをご覧下さい)。

第 1弾 2013年夏  キーマカレー
第 2弾 2013年冬  ふわとろオムライス
第 3弾 2014年夏  たっぷるこぎ丼
第 4弾 2014年冬  2種ルゥ☆ふわとろオムライス
第 5弾 2015年夏  先取り夏のマサラ・ナン・カリー&サラダ
第 6弾 2015年OC   ふわとろオムライス
第 7弾 2015年冬  俺のがっつり鶏丼 VS 私のホワイトオムティ
第 8弾 2016年夏  鶏とポテトベストマッチ鶏丼、真夏のトマチー鶏丼、ガーリィ豚丼
第 9弾 2016年OC   ふわとろオムライス
第10弾  2016年冬     BBNB 卵とろーりピリ辛ビビンバ丼
 
 そして、2017年夏及びオープンキャンパスにお届けする第11弾、第12弾は、次の通り!

今夏のコンセプトは、「生協 VS 小木ゼミTFTメンバー」です。


TFT健康ランチ名と販売期間:


*6月26日(月)~30日(金)

小木ゼミTFT「バジトマティーナ丼」(410円)VS生協「山かけネギトロ丼」(450円)


*7月3日(月)~7日(金)

 小木ゼミTFT「ぶったる丼」(410円) VS 生協「ネギ塩唐揚げ丼」(410円)



場   所:東経大生協食堂


です。


小木ゼミTFTメニュー(後段左1番目「ぶったる丼」・左3番目「バジトマティーナ丼」) VS 
生協プレゼンツメニュー(後段左2番目「ネギ塩唐揚げ丼」・右1番目「山かけネギトロ丼」)
前段はOC用の「ふわとろオムライス」

試食会・検討会議の模様


 また、今年も、なんと、TFT健康ランチが夏のオープンキャンパス(8月1日、8月2日、8月26日、8月27日)でも登場することになりました。入試課も入っていただいてのカルテットな取り組みです。今回のオープンキャンパスのメニューは、昨年・一昨年に引き続き、「ふわとろオムライス」です。

 オープンキャンパスで東経大への来訪を考えている、


高校生のあなた!

そしてご家族の皆さん!


 オープンキャンパスでは、(無料)学食体験があり、そこでもTFT健康ランチを選ぶことができます。ぜひ、オープンキャンパスにいらしてください!

 

 ちなみに、昨年も一昨年も「ふわとろオムライス」は人気ナンバー1でした!


 

TFT健康ランチ名:「 ふわとろオムライス 」(学食体験)

OC期間:8月1日(火)、8月2日(水)、8月26日(土)、8月27日(日)

場   所:東経大生協食堂

です。

オープンキャンパスメニューがこれだ!



 さらに、8月2日(水)のオープンキャンパスでは、小木ゼミによる「企業とのコラボ企画~お菓子の新商品開発、Web国分寺物語、TFTランチ企画~」のゼミ報告会もあります。ご興味のある方は、ぜひ見にいらしてください。
 

 今年の夏も、東経大オープンキャンパスで決まり!

 多くのご来訪、心よりお待ち申し上げます。


   
                                 文責:小木紀親
 

 
 


2017年6月6日火曜日

ミャンマーで植林活動&現地学生との交流をしてきます


こんにちは。経営学部の関口和代です。
毎年、夏季休暇中にゼミで海外研修へ行きますが、
今年はミャンマーを訪問することにしました。













現地の企業・工場訪問、現地学生との交流等は毎回実施していますが、
初めての試みとして、NGOのエコツーリズムに一部参加することにしました。

きっかけは、昨年8月のミャンマー訪問時に知り合った方からのお誘いでした。
その方は、Nature Loversという旅行会社をヤンゴンで経営されていますが、
もともとは林業省(現:環境保全・林業省)のシニアオフィサーをされていた方です。
乾燥地域であるバガンで植林活動と環境教育をされている
NGOとともに、ミャンマーの環境保全活動もされています。
http://www.myanmarnaturelovers.org/

NGO「ミャンマー日本・エコツーリズム(MJET)」は、
JICA(国際協力機構)やUNDP(国連開発計画)等で
仕事をされていた方によって設立されました。
MJETのビジョンは、
 「日本とミャンマーの青年と一般市民が協力して
  植林を行うシステムを構築し、ミャンマー中部乾燥地域の
  自然環境と住民の生活環境を改善し、
  観光客を対象とした新たな農林業と環境に優しい地場産業を
  発展させ、日本語を話せる優秀な人材の養成とそれらの人材の
  雇用を創出し、以って『環境・平和・権利の尊重』という
  普遍的な価値に基づいた、より豊かな地域社会の実現を図る」
ことです。

















今回、植林活動で訪問するバガンはミャンマー中央部に位置します。
カンボジアのアンコールワット、インドネシアのボロブドゥールとともに、
世界三大仏教遺跡と言われています。
バガンでは、かつて王朝のあった11世紀から13世紀に
4000近くの仏塔や寺院が建設されました。
その建材となるレンガを焼くために、そして増加した人口の
エネルギー源として樹木が伐採されました。
その結果、バガン地域の山は裸同然となり、
家畜の放牧等も影響し乾燥地化が進みました。
現在のバガン地域の年間降雨量は600~800ミリと、
ミャンマー国内で最も乾燥した暑い地域になっています。
(MJETサイトより)
ちなみに、東京の年間降雨量は1500ミリ前後です。
今回、私たちは一人あたり5本購入した苗木とともに、
寄付金で購入された苗木を、現地住民とともに植林します。
植林後は、住民の方々が、世話をしながら、
成長度合いをメールで知らせてくれるとのことです。
上手く成長するとよいのですが...。

また、MJETでは、結婚や家族の節目の記念に、
あるいは企業のCSR活動の一環としての
「記念の森」活動もされています。
興味のある方は是非ご応募ください。
http://www.mjet-tokyo.com/13_kinennomori.html


5月下旬にJICAのASEAN担当の方に、
6月上旬にMJETの方にレクチャーしていただきました。
「百聞は一見に如かず」ということもありますが、
事前学習を重ねることで、目前の事象より理解することができますし、
より深く考察することができると思います。



受け入れてくださった企業・大学をはじめ、
関係された方々のご厚意にお応えできるように、
8月のミャンマー訪問に向けて準備を進めたいと思います。

(文責:関口和代)

2017年5月31日水曜日

新規ゼミ生 初の報告

初めまして、経営学部の石黒です。
今回が初の投稿となります。何を書こうか迷いましたが、ゼミの活動について書かせていただきます。

私の研究分野は、「経営倫理」です。担当している「経営環境論」でも経営倫理を中心に授業をしています。ですが、当ゼミは経営倫理を専門にはしていません。ゼミ生がそれぞれ自分の興味のある分野を自由に研究するのが、当ゼミの方針です。
今回は、そんなゼミの一風景をお伝えしていきます。







今回のゼミには2年生の報告です。全員が初めての報告とあって緊張していますね。
報告テーマは以下の通りです。
・自動二輪について
・世界遺産登録における地域活性化
・マクドナルドの復活戦略
・音楽産業について
・ホンダ自動車
・不動産業に関する人的管理
・スキー場経営
Jリーグの集客戦略

面白かったので、バイクについて取り上げてみましょう。
男の憧れ、バイク!
小さい頃は仮面ライダーに憧れ、思春期にはアウトロ—漫画に憧れと、多くの男性が一度はバイクに乗ることを夢見たのではないでしょうか?僕もそんな男の一人です。
しかし、今はどうでしょうか?バイクに乗りたい、バイクが欲しいと思っているでしょうか?




83年をピークに販売台数が大きく減少していることがわかると思います。その原因の一つが「若者のバイク離れ」です。
現在、バイクユーザーの半数以上が50代以上であり、10代、20代、30代のユーザーは20%に満たない状況です。これらのデータには原付(原動機付自転車)が含まれているので、バイクと言われて連想するような普通二輪、大型二輪車の若者ユーザーはさらに少ないと言えます。その理由の一つが、高校の校則。バイクに危険、非行というイメージがあることから多くの高校で免許取得が禁止されています。本来であれば二輪免許は16歳で取得できるわけですが、校則により高校卒業後の18歳にならないといけない。こうなると二輪免許ではなく、自動車免許の取得に切り替わってしまう。

現在のバイク業界を支えているのは、就職や結婚・子育てなどの理由により一度はバイクから離れた中高年のリターンライダーです。
私自身も含めたバイクに関心を持たなくなってしまった層を、いかに取り込んでいくか?が、今後のバイク業界の復活の鍵かもしれません。あるいは、中高年ライダーを海外メーカーに奪われないようにすることが鍵かもしれません。彼がどんな答えを導き出すか期待ですね。


今回は報告が8つあったので、終了は20時でした。いつもよりは早いかな?
ゼミが終わると恒例の飲み会です。自由参加ですが今回はちょっと多いですね。お店はゼミ生もアルバイトをしている行きつけの居酒屋さんです。鉄鍋餃子とモツ鍋がオススメ!
今年のゼミ旅行は石垣を予定しています。
それまでにもっと親交を深めていきたいです。

2017年5月21日日曜日

今年もビール工場の見学に行きました

こんにちは、経営学部教員の柴田です。

5月も下旬になり、大学では1年生の皆さんも、新しい生活パターンにようやく慣れてきた頃かと思います。2年生以上の皆さんも、新しいゼミに所属するなど生活のパターンも変わり、だんだんと慣れてきたのではないでしょうか??
私の担当するゼミでも、卒業などで出て行った学生や今年から入ってきた新規生などで、メンバーがかなり入れ替わりました。新しいメンバーの親睦と、世の中の会社の運営方法を学んでもらうことを兼ねて、5月2日のゼミでは工場見学に出かけて、その後、親睦会を行いました。実を言うと、昨年のゼミでも工場見学を行い、その様子を、このブログで公開しているのですが結局、毎年ゼミの行事が同じようなパターンになってしまうわけです。ただし、私たちが教えている「経営学」は、会社の活きた姿を理解することを目指しています。工場見学を行う理由も、会社の理解を深めるためには、実際の会社を見学するのが良い方法の1つと思うからです。

今回の見学先も、昨年同様、サントリーの武蔵野ビール工場です。この工場はJRの府中本町駅から徒歩15分ほどで、国分寺キャンパスからでも1時間以内の近さです。3時限目の授業終了後に大学を出てもぎりぎりで見学ができる、ほとんど唯一の工場です。見学前に撮影したメンバーの集合写真が以下のものです。


詳しくは以下のリンクを参照してください。
http://www.suntory.co.jp/factory/musashino/index.html

見学は、まずビデオで会社や製品の概要を紹介するところから始まります。次に、原料である水、麦芽、ホップについての紹介があり、麦芽を実際に一口食べてみると、香ばしさと甘さのあることが分かります。さらに実際の製造工程に沿って、仕込・発酵・貯酒・濾過・缶瓶への詰込の様子を見学通路から見ることができます。そして、最後に一番人気のコーナーである試飲会場で、出来立ての生ビール、プレミアムモルツや工場限定の新製品を飲むことができます。ちなみに、未成年や(自転車を含めた)運転者にはソフトドリンクの提供となります。やはり、工場を歩き回った後に、できたてで、良く冷えて、上手に注がれたビールを飲むと、そのおいしさは格別ですね。

見学の後は、国分寺に戻って本年度初のゼミ生の親睦会を行いました。本年度は、夏にタイで海外ゼミ研修を行う予定なので、国分寺駅北口のTARAというタイ料理店に行きました。

このような機会を設けると、ゼミ生同士もかなり打ち解けて、盛り上がっていたようです。詳しくはゼミのtwitterをご覧ください。
https://twitter.com/shibatazemi

2017年5月15日月曜日

【学問のミカタ】ショッパーマーケティング

2017.5.15

経営学部の本藤です。
不可解な天候が続いていますね。北海道が東京より暑くなってしまったり、そもそも4月なのに7月のような陽気になってしまったり、こんな季節にインフルエンザが一部の地域で流行したり・・・
体調を崩しやすい気候になっているので、みなさん体調管理は自分で気を付けてくださいね。


今日は、マーケティングの近年の潮流を少し紹介してみたいと思います。

メーカーがマーケティングを考えるとき、最初に「この商品は誰に評価されるのだろうか?」と考えます。
これがマーケティング戦略の大前提となる「ターゲティング」です。
違う言い方をすれば、「この商品の価値を最も分かってくれるのは誰だろう?」ということです。
つまり、売りたい商品の価値が伝わる人を明確にすることからスタートします。
なかには、国内生活者全員をターゲットととするような場合もありますが、それではお客様の気持ちに刺さるブランド・メッセージにならないケースがほとんどと言っていいでしょう。
(みなさんも「みんな好きです」のうちの一人として愛を語られてもピンときませんよね。「あなたが好きです」と愛を語られるからグッとくるのではないでしょうか)


メーカーが発売する商品のターゲットを検討する際に、従来は単純に「使う人」を想定して検討されているケースが多かったのですが、近年は、もう少し厳密に考えるようになってきています。

ところで、みなさんの自宅でシャンプーはいくつありますか?お風呂には、自分専用のシャンプーがありますか?
それとも家族みんなで1つのシャンプーを共用していますか?
家族でひとつのシャンプーであれば、きっとそのシャンプーを購入する人はお母さんであるご家庭が多いかもしれませんね。
つまり、「使う人」のひとりである母親が、家族を代表してドラッグストアで価格を見ながら商品選択を行って購入することになります。


でも最近は、それぞれの髪質やヘアスタイルに応じて、お風呂には家族一人ひとりのシャンプーが置かれるようになりつつあります。そうなるとシャンプーを購入する人は誰でしょうか?
母親が代理購買するケースもあれば、自分で選ぶという人もいるでしょう。
高校生であれば、部活や塾で忙しくて、「お母さん、私のシャンプーが終わりそうだから買っておいて」とお願いすることも頻発しそうです。
となると、その作業指示を受けたお母さんは、ドラッグストアに行って、「自分の子供に適したシャンプーはどれだろうか?」と考えつつ、価格表示を見比べつつシャンプーを購入するかもしれません。


つまり、使う人(ユーザー)と買う人(ショッパー)が異なることがあるのです。
そんな状況をメーカーは想定して、ショッパーに焦点をあてたマーケティングを検討しなくてはならないと考えるようになってきています。
ここで考えなくてはならないのは、その商品に添えるメッセージです。
例えば、「思春期男子の臭いを抑える!」というように代理購買をする人が気にしている問題意識に訴えかけるようなメッセージです。「朝のセットが楽になる」とか「死ぬほど傷んだ髪を1週間で修復する」というメッセージは、どちらかというとユーザーに対してのメッセージですから、ショッパーに伝えるべきメッセージとして工夫することも大切な視点になってきます。


最終的な購入者であるお母さんの意思決定を促せるように考えて、店頭で商品の紹介をすること。これが「ショッパー・マーケティング」と呼ばれるアプローチです。

このようなユーザーとショッパーが異なるケースは、意外と多かったりします。
乳児用紙オムツのエンドユーザーは赤ちゃんですが、ショッパーは赤ちゃんのママです。
シニア用紙オムツのエンドユーザーは要介護の高齢者ですが、ショッパーは介護する人です。
風邪で寝込んでいる母親のために、父親が風邪薬を買いに行くこともあるのですが、この場合は、ショッパーは看病をする人で、ユーザーは病気で寝込んでいる人になります。

その結果として、エンド・ユーザーが、「これは私のための商品だ!」と思ってくれれば、その後は商品指定しての代理購買になっていくかもしれません。
プロモーション(販売促進)を考えるにしても、ブランディング(ブランド育成)を考えるにしても、まずは、最初の購入をしてもらわなければ話が始まりません。そのために、どんなことを思案すべきか企業は常に考え続けています。

文責:本藤貴康


【学問のミカタ】
他学部やセンターからも、東京経済大学の教員が自分の研究に関わる内容を高校生向けに分かり易く紹介したブログをアップしています。
他学部の【学問のミカタ】に是非ともお立ち寄りください。

・経済学部ブログ : 「生まれ月とスポーツ選手
・コミュニケーション学部ブログ : 「スポーツを通して自分を知る
・現代法学部ブログ : 「刑法ってどう学んでいけばいいの?~2017~
・センターブログ : 「噴火する火山を目の当たりにして

2017年5月8日月曜日

上海ディズニーランド現地取材報告

流通マーケティング学科の丸谷です。17回目の執筆です。
 私はグローバル・マーケティング論(簡単にいうと海外でどのようにマーケティングを行っていくのか)を専門分野にしているので、海外に出張に行くことが多く、このブログでもインド、チリ、香港の出張の模様をこれまで取り上げてきました。

 今回は4月に有斐閣より出版された「グローバル・マーケティング戦略」の中でも取り上げているディズニーランドの戦略について追加取材のため、上海ディズニーランドへ取材に行ったので報告いたします。なお、ディズニーランドの海外取材報告は香港ディズニーランド現地取材に続き2回目です(詳細は11回報告をご覧ください)。
                                        
上海ディズニーランドは、2016616日に開業した中国本土初となるディズニーランドです。場所は上海の浦東国際空港の近くに建設されました。なお、上海にはもう一か所虹橋にも国際空港があり、中心部からのアクセスや建設経緯を考えると、浦東が成田、虹橋が羽田と近い関係にあるといえるかもしれません。

東京ディズニーランドが東京ディズニーランド、ディズニーシー、イクスピアリ、ホテルなどで構成する東京ディズニーリゾートの中に立地するのと同様に、上海ディズニーランドも上海ディズニーリゾートの中に立地しており、中国語版ライオンキングを上演中のウォルト・ディズニー・グランド・シアターという劇場も含むショッピングエリアのディズニータウンが201657日に開業しています。

ウォルト・ディズニー・グランド・シアター


当日は私が以前勤務していた愛知大学時代のゼミのOGが上海に在住していたので連絡を取り、取材に同行してもらいました。彼女は現在現地の大学で中国語の勉強をされており、既に一度上海ディズニーランドに訪問されているとのことで、ネットを通じたチケットの予約から、地元での評判や取材準備など非常に助かりました。

私も教員生活が長くなりにつれ、彼女以外にも最近はゼミのOBOGに現場取材などでお世話になることが増えそういった際にOBOGの成長を見るのは、大学の教員としては楽しみの1つではあります

現地在住のOGとの再会

当日はOGの大学終わりの1時に私が宿泊したホテルのロビーで待ち合わせをし、こちらも事前予約しておいたタクシーで向かいました。なお、中国ではタクシーのネット予約システムが大変普及しています。上海の前に取材した地方都市の貴陽でもこのシステムを使い、非常に安価できれいなタクシーを利用することができました。このシステムはネット予約管理会社を通じてに電子決済するので、直接のお金のやり取りがないので、非常にで安全なようでした。

エントランスに到着すると、ゼミのOGがネット予約してくれたので、スマホの画面を開いて機械にかざすと入場できました。待ち時間も全くありませんでした。事前の取材によれば、中国の方はキャラクターと写真を撮ったり、あまりしないとのことだったので、確認に行きました。私も初めて写真を撮りましたが、待ち時間は数分でした。事前取材ではあまりサービスは良くないとのことでした、そんなことはなくカメラマンと案内の方が二人で丁寧な対応をなさっていました。

  頑張っているカメラマンと案内の方

もちろん、日本のディズニーのような一貫したきめ細かなサービスは期待できないのですが、個々の従業員の中には頑張っている人も多く、香港ディズニーランド取材で感じた少し残念な従業員の対応との違いを感じました。

ディズニーの象徴はお城なので、まずはお城を見に行きました。メインキャッスルの魔法にかかったおとぎの城は、高さ約60mとディズニー史上最大であり、すべてのディズニープリンセスを象徴する世界初のキャッスルだそうです。実際規模は大きく夜にこのお城に向って投影されたプロジェクションマッピングを用いたショーは素晴らしかったです。

お昼を過ぎていたので、現地の中華料理のレストランを訪ねました。隠れミッキーを探しつつ入店し、メニューを見ると、香港でも対応していたのですが、ベジタリアン向けのグルテンフリーの食事があったので、食べてみました。味は普通でしたが、ミッキーの耳を形どった芋の揚げ物が入っており、多様な食文化への対応やちょっとした工夫も感じられる食事でした。

グルテンフリーの食事

今回は上海ディズニーに新規導入されたアトラクションを中心に調査しました。午後のキャラクターたちのパレードを見た後、目玉アトラクションである「パイレーツ・オブ・カリビアン:バトル・フォー・ザ・サンケン・トレジャー」(Pirates of the Caribbean Battle for the Sunken Treasure)を体験しました。香港ディズニー同様待ち時間はほとんどなくスムーズでした。海に沈んだ財宝を争う海賊同士が戦うカリブ海を旅するスタイルなのですが、戦いの中に最新技術を用いて入り込める感覚は独特でした。

   パイレーツ・オブ・カリビアン:バトル・フォー・ザ・サンケン・トレジャー 

次に映画『トロン:レガシー』の世界をバイク型のローラーコースターで駆け抜けるトロン・ライトサイクル・パワーラン(TRON Lightcycle Power Run)を体験しました。ディズニーというよりは普通のユニバーサルスタジオという感じではありましたが、世界観にあわせた作り込みは素晴らしく、近未来に没入することができました。


            
トロン・ライトサイクル・パワーラン

今回の取材全体を通じて、ハードが超一流であることを体感しました。現時点でも上海に行く機会があるなら、半日程度時間を割くことをお勧めします。今後成功できるかどうかは、充実させていく予定のハードとともに、従業員教育を含むソフト面をいかに高めていけるかだと改めて実感しました。

ハードは数回乗ればなれてしまいますし、最初に来てもらうきっかけでしかない。東京ディズニーランドがあれだけの成功を収めているのはリピーターを呼べているからだと考えられるからです。もちろん、中国は日本に比べ人口も多く、全土から集客できれば一定の期間の賑わいは確保できるでしょうが、それでも限界はあるので。

               文責:丸谷雄一郎(流通マーケティング学科 教授)